「週刊プロレス」に使用されている写真の裏側を大公開。ベースボール・マガジン社に所属する写真部員が実際に使用た撮影時の設定マニュアル。これからプロレスの撮影をしてみたい方々へ向けて、少し細かいカメラの設定を紹介。ただ、写真なんてものは自己満足の世界なので各々楽しんで撮影するのがベストなので、参考程度に気軽に読んでいただけたら幸いです。第1回は「格闘技の聖地」後楽園ホール。2022年1月16日行われた「アイスリボン」で使用した撮影データを掲載します。(写真・文◎山口高明)
☆後楽園ホール
プロレス、ボクシング、キックボクシング、MMAなど年間数百大会が行われる「格闘技の聖地」
JR水道橋駅から徒歩5分ほどの好立地で、どこの席からでも観戦、撮影しやすい定番の会場。
最大で2000人程度収容可能なので、最後尾になるとそれなりに距離がある。
立見席が販売されているときはバルコニーからも観戦が可能。バルコニーからリングまでは角度があるので、ロープがあまりかからずに撮影できる。新聞、雑誌なども望遠での撮影の時はバルコニーから撮影している。
リング上の照明。(1/640 f4 ISO3200 WB/PRE(3230K+M0.25) +A0.5 焦点距離24mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト-1.00、ストロボ設定 M1/64)◎撮影Data・アイスリボン/2022年1月16日
【使用機材】
NIKON D6、AF-S 24-70mm f/2.8E ED VR、SB-800、 NEEWERのオレンジフィルター
※NIKONの機材を使用しているため、設定などNIKON上での名称で記していますが、CANONやSONYのカメラにも似たような項目はあると思います。各々の機材に準じた項目を設定していただければと思います。
【明るさ】
試合中は会場照明は消灯しリング照明のみ。
明るさはISO3200に対して、1/800 f4 +ストロボ使用(光量はマニュアルで1/64、オレンジフィルター装着)を基本設定にして撮影。
リング中央、コーナー、ロープ際、場外で明るさが変わるので微調整が必要。だいたいコーナー、エプロンサイドは半段~1段、場外は2段ほどは暗くなる。
入場ゲート付近は2段以上暗く、光も回っていないため高感度にしすぎると粒子が浮いてザラザラの写真になってしまう。(入場時は会場照明が点くが、退場時は点かないのでさらに暗い)
リングの上から照明が当たっているため、下を向くと顔が暗くなる。リング中央部で寝技になると1/4段ほど明るくなる。
入場時は会場照明も点くが暗い。(1/320 f3.2 ISO3200 WB/PRE(3230K+M0.25) +A0.5 焦点距離62mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト-1.00、ストロボ設定 M1/64)リング内ロープ際(左側)と中央部(右側)で明るさが違う。(1/800 f4 ISO3200 WB/PRE(3230K+M0.25) +A0.5 焦点距離38mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト-1.00、ストロボ設定 M1/32-0.7)リング中央付近はグラウンドの展開になると、照明が当たりすぎて顔や背中部分がとびやすい。(1/640 f4 ISO3200 WB/PRE(3230K+M0.25) +A0.5 焦点距離42mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト-1.00、ストロボ設定 M1/32-0.7)場外になると2段ほど暗くなる。(1/500 f2.8 ISO3200 WB/PRE(3230K+M0.25) +A0.5 焦点距離32mm ピクチャーコントロール/SD 輪郭協調+8.00 コントラスト-1.00、ストロボ設定 M1/32-0.7)
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