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2022-01-22

【NFL】MVP最有力のQBロジャースは勝負弱さを払しょくできるか パッカーズvs49ERS ディビジョナルプレーオフ直前予想(2)

今季もMVP最有力と目されているパッカーズのQBロジャース。49ERSのディフェンスとは相性がいい=photo by Getty Images

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サンフランシスコ・49ERS@グリーンベイ・パッカーズ
ランボー・フィールド(グリーンベイ)
1月22日午後8時15分(日本時間23日午前10時15分)キックオフ

(写真はすべてGetty Images)

■注目のデータ

・両者の過去の対戦成績はパッカーズの38勝32敗1引き分け。パッカーズと49ERSはプレーオフでは9回目の対戦だが、過去は4勝4敗と拮抗している。
・パッカーズは最近7試合中6試合で22点以上失点している。今季の49ERSはプレーオフも含め、22得点以上の試合は10勝2敗で、22点未満のときは1勝5敗となっている。
・49ERSのQBガロポロは、アウェーゲームに強い。アウェーで先発した試合は20勝6敗、勝率.769、プレーオフを含めて1970年以降のNFLで2番目に高い勝率を誇る。
・1950年以降、12月と1月にグリーンベイで試合をしたカリフォルニアのチームは、プレーオフを含めて2勝12敗(49ERSが2勝5敗)となっている。
・現地の気象予報では、試合開始時の気温はマイナス11.7度、体感気温はマイナス18.3度という。

屈指のパス能力もプレーオフでは苦戦続くロジャース…パッカーズ
 
 49ERSが、今季7敗も喫して、プレーオフ出場も滑り込みとなったのは、第3週から4連敗したためだった。そのきっかけが、パッカーズとの対戦だった。パッカーズは第3週、9月26日の49ERS戦、試合最後のプレーで、Kメイソン・クロスビーが「逆転サヨナラ」フィールドゴールを決めて辛勝した。


 パッカーズは、開幕週でセインツにまさかの大敗。第2週は勝ったものの、第3週で負けていたらその後がどうなっていたかわからない。

 2019、20と2年連続でNFCチャンピオンシップに進出しているパッカーズが、今のNFLで最も安定的な力を持ったチームの一つなのは間違いない。QBアーロン・ロジャースは昨年に続いて、2年連続、単独2位となる4回目のリーグMVPが最有力とされている。
パッカーズのラフルアーHCと会話するQBロジャース。49ERSのディフェンスとは相性がいい=photo by Getty Images
 今季のロジャースのパス成績は4115ヤード、成功率68.9%、37TD、4INT、レーティング111.9。「GOAT」トム・ブレイディやパトリック・マホームズら若手QBと比べても、ロジャースのパス能力は際立つ。とにかくミスをしない。インターセプト率は0.8%で、自身3回目の1シーズン通じて1%未満という数字だった。開幕戦で2INTを喫して以後はパスを531回投げて2回だけ。レギュラーシーズンの終盤7試合はインターセプトがない。

 これだけの実績を持ったロジャースだが、プレーオフでは苦戦している。ポストシーズンはスターターQBとして11勝9敗。2010年シーズンの第45回スーパーボウル(対戦相手はスティーラーズ)で優勝してからは7勝8敗。スーパーボウルに出たのはこの時だけで、チャンピオンシップで4回敗退している。

 49ERSのディフェンスにはロジャースは、相性が良い。49ERSは、パスラッシュは基本的にフロントの4人が担当し、ブリッツとマンツーマンカバーはあまり使わない。パスラッシャー4人以下でのQBプレッシャー率が30.5%でNFLトップだ。ロジャースは、ラッシュが4人以下のディフェンスには、レーティング113.7というパス成績で、NFLではNo.1となっている。
パッカーズWRアダムス。QBロジャースのNo.1ターゲットだ=photo by Getty Images

オフェンス、ディフェンス共に強く、シード順以上の力…49ERS

ワイルドカードはシード順通りの勝敗が続いたが、唯一のアップセットをカウボーイズ相手に引き起こしたのが49ERSだ。ただし、今季の49ERSは、オフェンスがリーグ7位、ディフェンスが3位とバランスが良い。10勝7敗、NFC第6シードというランク以上の底力を持っている。
 
オフェンスには、WRディーボ・サミュエル、さらにRBイライザ・ミッチェルとTEジョージ・キトルというプレーメーカーがいる。この3人がスクリメージから900ヤード以上を獲得している。
49ERSのWRサミュエルはRBとしても起用され実績を残している=photo by Getty Images
 特にサミュエルは、パスレシーブで1405ヤードも凄いが、RBとしてしばしば起用され、頑健な体と脚力でラン365ヤード、1回平均6.2ヤードは本職以上だ。レシーブの6TDに対し、ランでは8TDを決めている。

 QBジミー・ガロポロは負傷がちでアンダーレートされる傾向があるが、好不調の波が少なく、確実にパスを決める。レギュラーシーズン中15試合で、パス成功率が6割を下回ったのは1試合だけで、それも59.6%だった。 一方で爆発力がない。今季は1試合3TD以上の試合が1回もなかった。ただこれはヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンの方針とも関係がある。

 ディフェンスでは49ERSは今季48サックでNFL5位。ニック・ボーサ、アリク・アームステッド、アーデン・キーといった強力なフロントでプレッシャーを掛ける。今季15.5サックのボーサが脳震盪プロトコールをクリアして試合出場できるようになったのは朗報だ。

■放送予定

 日本テレビ系スポーツ局ジータスと、インターネット中継の「NFLGO」では、ディビジョナルラウンドからカンファレンス決勝までの6試合を完全中継する。49ers@パッカーズは解説:森清之さん、実況:山崎誠さんで、放送は1月23日(日) 10時10分ごろから。

49ERSのディフェンスの中核、DEボーサ=photo by Getty Images

49ERSのQBガロポロはアウエーゲームに強い=photo by Getty Images


今季もMVP最有力と目されているパッカーズのQBロジャース=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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