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2022-02-08

【ボクシング】注目の好カードは前田稔輝が制す。木村蓮太朗は初黒星

前田のリードブローが木村を捉える

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 8日、東京・後楽園ホールで開催されたノンタイトルのスーパーフェザー級8回戦は、日本拳法10冠の実績を持つ同級10位・前田稔輝(まえだ・じんき、25歳=グリーンツダ)が、アマ3冠のの木村蓮太朗(24歳=駿河男児)を2-1(76対75、76対75、75対76)の判定で下し、注目された東西の全勝ホープ対決を制した。

文_杉園昌之 写真_馬場高志


 8ラウンドの激闘を終えて、歓喜の雄叫びを上げたのは大阪から乗り込んできた無敗の新鋭だった。勝者としてリング上でマイクを握った前田は、静かな口調で反省の弁を口にした。「木村選手が勝ったと思う人もいたと思います。内容には納得していません」。本人は謙虚な姿勢を崩そうとしなかったものの、得意の左ストレートは随所で光った。

またひとつ、“勲章”を手に入れた前田。日本拳法出身の先輩、IBF世界スーパーフェザー級王者・尾川堅一(帝拳)もリングサイドに応援に駆けつけていた
またひとつ、“勲章”を手に入れた前田。日本拳法出身の先輩、IBF世界スーパーフェザー級王者・尾川堅一(帝拳)もリングサイドに応援に駆けつけていた

 序盤から前に出てくる木村に対して、一歩も引かなかった。立ち上がりこそ様子を見ていたが、徐々にしっかり応戦。日本拳法仕込みの独特の間合いから左を繰り出し、力強いパンチをヒットさせていく。迎えた2回、相手がぐっと踏み込んできたタイミングでショートの左をピタリと合わせ、会心のダウンを奪取する。3回以降も落ち着いていた。木村の右ジャブをもらい、顔をのけぞらせながらも強烈なパンチはブロック。大きなアッパーはしっかりかわし、打ち終わりに的確に左を打ち込んで、ポイントを引き寄せた。

 後半は攻めのパターンが単調になり、有効打を当てる回数が減ったが、相手の圧力に押し切られることはなかった。ロープを背負う場面でも打ち負けずに反撃した。
前田はデビュー戦からの無敗記録を守り、9連勝。後楽園ホールで売り出し中の木村を下し、全国的な知名度も上がったはず。目標のタイトル挑戦に向けて、また一歩前進した。

 前田の戦績は9戦9勝(4KO)。木村の戦績は6戦5勝(3KO)1敗。執拗に前に出て積極的に打ち合ったものの、被弾が目立ち、ポイントを奪われた。

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