8日、大阪府・枚方市総合体育館で行われたウェルター級8回戦は、元日本同級王者で、昨年12月にWBOアジアパシフィック同級王座決定戦に敗れた矢田良太(31歳=グリーンツダ)が再起戦。矢田のランク(日本同級7位)を狙いにきた藤井拓也(32歳=三迫)を5回2秒TKOに下した。
上写真=矢田の強烈な右が藤井を捉える
取材_加藤健太郎
写真_宮原和也
左フックの相打ちも、矢田はしっかりとガード。“ターミネーター”のニックネームは返上!?
WBOアジアパシフィック王座決定戦で別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)と倒し合いの末に敗れた矢田は、一時は引退も匂わせたが復帰。変則の藤井が距離を詰めて右オーバーハンドを狙ってくるが、冷静に動きを見極めて打ち終わりに右ストレートを狙った。
4回終盤、矢田の右ストレートがカウンターとなると藤井ダウン。立ち上がった藤井にラッシュを仕掛けた矢田だが、ここはラウンド終了となった。 が、5回が開始するとすぐに、足を引きずる藤井にドクターチェックが入り、ドクターの助言を聞いたレフェリーが試合を止めた。
地元・枚方の声援を力に変えて、鮮やかに復帰を果たした矢田は、「打たれないボクシングを心がけました。年内に東洋太平洋のタイトルを狙っていきたい」と宣言。驚愕のタフネスで、付いたニックネームは“浪速のターミネーター”だったが、別府戦での反省をふまえ、ターミネーター封印宣言。テクニシャンの東洋太平洋王者・長濱陸(角海老宝石)への挑戦を熱望した。矢田の戦績は26戦20勝(16KO)6敗。藤井は13戦7勝(3KO)6敗。
ボディブローでダウンを奪った下町は、英を連打で攻めた
2017年度全日本スーパーバンタム級新人王から昨年8月に日本ユース王者となった下町俊貴(23歳=グリーンツダ)は、北陸のホープ、2018年度全日本同級新人王の英洸貴(21歳=カシミ)と初防衛戦。
ジャブで先制したサウスポー下町が距離を掌握。英はフェイントを使い、踏み込んで右ストレートを狙うが、下町のボディワークについていけない。4回、英がプレスを強めて下町をコーナーに詰めるが捉えきれず。すると5回中盤、下町の左ボディブローがぐさりと刺さると英がダウンした。
好機と見た下町が一気にラッシュすると、レフェリーがストップをかけた。
下町は「(ジムの)みんなが勝っていく中で、自分は負けたらどうしようと思っていました。勝ててホッとしています」と胸をなでおろした。
下町の戦績は15戦12勝(8KO)1敗2分。初黒星の英は12戦8勝(3KO)1敗3分。
前田の左ストレートは、初回から火を噴いた
日本拳法のスター選手からボクシングに転向し、昨年度フェザー級全日本新人王となった前田稔輝(23歳=グリーンツダ)は、前出の下町と全日本新人王を争った(下町の4回TKO勝利)飯見嵐(24歳=ワタナベ)と58.5kg(スーパーフェザー級)契約で、初めての6回戦を行った。
開始からサウスポーの前田がジャブで距離を測る。飯見も右を大きく振ってプレスをかけた。すると初回中盤、前田の左カウンターが決まり、飯見がダウン。ここは元気に立ち上がった飯見だが続く2回開始早々、またも前田の左カウンターが決まり、飯見が2度目のダウン。かろうじて立ち上がった飯見にプレスを強めた前田が、さらに左カウンターを決めると飯見はみたびキャンバスに倒れ、レフェリーストップとなった。
飯見に何もさせず勝利した前田は、「(飯見は)パンチがあると聞いていたので警戒していたが、1ラウンドに左が入ったところで、左が見えていないと思ってカウンターを狙った。初の6回戦だったので、最後まで経験したかったけど、勝ててよかったです」と笑顔で語った。
前田の戦績は5戦5勝(3KO)。飯見は10戦7勝(7KO)3敗。
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