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2022-02-27

【ボクシング】ユーリ阿久井が全ラウンド制しV3「年内に世界めざす」

阿久井(左)の左フックが粉川に決まる

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日本フライ級タイトルマッチ10回戦が27日、岡山県総社市のサントピア岡山総社で行われ、チャンピオンのユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が、1位の粉川拓也(角海老宝石)に3-0の判定勝ちで3度目の防衛を果たした。期待のKO勝ちは成らずとも、審判3者がそろって100対90とするパーフェクトスコアで、元日本&東洋太平洋王者を退けた。

 2度目の防衛戦で大物ホープとされた桑原拓(大橋)を、得意の右ストレートで完全失神の10回TKOに仕留めた阿久井。対して2度の世界挑戦も経験した36歳の大ベテラン、粉川が用いた作戦は単純明快だった。これまでの中間距離を中心とするスタイルとは一転、「距離が空くから標的になる」と、初回から体を預けての接近戦で10歳若い王者の右の軌道を殺す。

 これを「想定内だった」と阿久井は冷静に対処。無理をせずガードの隙を見ては左ボディ、内側からの右アッパーなど細かなパンチで応じる。散発だが右のボディも入り始め、5回終了時点の公開採点は50対45。内容的には数字ほどの差は感じられなかったが、挑戦者にはポイントを与えるだけの有効打が見られない。

 試合後半は、各回とも終盤にはパンチを集める場面が増えてきた阿久井。8回には上下に強烈な右を決め、ヤマ場をつくる。このままフィニッシュか、のムードも高まったが、粉川は最後まで肉薄する作戦を遂行し、的を絞らせなかった。

地元で3度目の防衛に成功した阿久井。「年内に世界」と意気込んだ
地元で3度目の防衛に成功した阿久井。「年内に世界」と意気込んだ

 戦績を20戦17勝(11KO)2敗1分に伸ばした阿久井はリング上から「年内には世界挑戦をしたい」と宣言。40戦32勝(14KO)7敗1分となった粉川は「4回に足がつって……。悔しい」とうなだれた。

文/横山一彦 写真/早浪章弘

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