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2022-04-22

【BBMカードコラム(#2022-03)BBM女子プロレスカード2022】どこが変わった!? 女子プロレスカード

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BBMカードの編集担当が担当アイテムについて思いの丈を綴るこの連載。
今回は春恒例のアイテム「BBM女子プロレスカード2022」の制作過程をお届けします。これまでとどこが変わったのか、解説していきます。



今後はシール版サインが定番に?
 今年も「女子プロレスカード」を発売することができました。この十数年、撮り下ろしにこだわりつつ、少しずつ新しいことも採り入れてきたアイテムですが、今作ではさらに大きな変化をさせました。

 まず一番大きな変更点は、直筆サインカードが「シール版」になったこと。これについては賛否両論……いや、否定的なご意見が多いと思います。数多くのBBMカードの中でも「直書きサイン」といえば女子プロレスカードだったのに何故? という声が大多数だと思います。

 それは制作サイドも同意見で、例年通り直書きでいきたかったのが正直な気持ちです。ただ、コロナの流行次第で直書きサインだと回収が難しくなることが予想されました。実際、サイン回収の時期に感染拡大で活動休止となった団体、選手もありましたので、撮影の段階で専用シールをお渡ししておいて本当に良かったと思います。

 ではこれからも、女子プロレスカードはシール版のサインが普通となるのかといえば、そのつもりはありません。制作時間の短い「Ambitious」などは別にして、春のカードは極力、直書きサインでという思いは変わりません。実際、シール版ですと貼る工程が必要となりますし、制作サイドにとっても直書きのほうが手間が減る分、作りに手をかけることができます。今後もさまざまな状況を見ながら判断していきたいと思います。

直筆サインカード 荒井優希(レギュラーサイン版)
直筆サインカード 荒井優希(レギュラーサイン版)
今年の女子プロレスカードはすべてシール版。でも今後もずっととは考えていません


撮り下ろしにこだわってきた理由

 今作で大きな問題となったのが収録選手の減少です。昨年終盤から、女子プロレス界にはさまざまな動きがありました。選手、団体の活動停止や移籍などが続いたことで、最終的に何人の選手を収録できるのかがなかなか定まりませんでした。

 収録選手が減れば自ずとサインの封入数も減ります。しかし、発売即完売が続く状況を考えれば、発行部数増を考えねばなりません。かといって、お一人あたりのサイン枚数を無闇に増やすのもいたずらに価値を落とすだけ。これにはだいぶ頭を抱えました。

 もう一つ。毎回発売するたびに届くご意見の中に、試合写真をもっと見たいというリクエストがあります。しかし、特写にこだわっている商品です。試合写真は報道としては良いのですが、実はカードではあまり評判が良くありません……特に選手から。

 激闘の中のお写真は、アスリートとして見るととてもカッコいいものです。しかし、汗や激しい動きで髪は乱れ、メイクも崩れ……女子選手にとって、報道の中ならともかくカード単体としてその姿だけを切り取られることには、やはり抵抗があるのでしょう。

 カードを名刺代わりに使ってくださる選手もいますし、綺麗な写真でという思いはよく分かります。だからずっと、撮り下ろしにこだわってきたのです。

 いろいろ問題は山積み。さて、どうしよう……とずっと考えていました。


サブセットではなくシークレットで

 ひらめいたのは、ある日の試合会場でのことでした。ものすごい試合で、勝者も敗者も見事な技を見せてくれました。声を出せない状況下の会場でも、一瞬だけ空気が動くような独特の感覚。以前なら大歓声だったのは間違いありません。

 後日、週刊プロレスの誌面で迫力ある写真とともにその試合が報じられているのを見て、「顔が見えなくてもいい。プロレスならではの真似のできない、迫力が伝わる写真や華麗な技の写真なら、カードにしてもいいんじゃないか」と思いました。

 これがベースボールカードなら「サブセット」にするところですが、そうじゃなくても種類数が多い女子プロレスカード。ならば自由度の高いシークレットで作ればいい。別に9種にこだわる必要はないのだし、シークレット版のサインカードも作れるし……。

 というわけで、シークレット版に技の写真が加わりました。その迫力は、小さなカードサイズでも十分に伝わっていると思うのですがいかがでしょう? 代わりに、他のシークレット版にアップの写真が増えたのは、その副産物と言えるかもしれません。

No.083 橋本千紘(シークレット版)
No.083 橋本千紘(シークレット版)

No.131 Leon(シークレット版)
No.131 Leon(シークレット版)
ものすごい角度の橋本選手のスープレックス、Leon選手の跳躍力など、女子プロレスの凄みが伝わると思います

No.018 梅咲遥(シークレット版)
No.018 梅咲遥(シークレット版)

No.058 駿河メイ(シークレット版)
No.058 駿河メイ(シークレット版)
試合写真、どアップ、私服姿など、例年以上にシークレット版はバラエティあふれるラインアップになりました

 他にも隠し球がいっぱいの「BBM女子プロレスカード2022」。シークレット中のシークレットが何なのかは、発売後時間も経ったことでだいぶ伝わっているようです。思えば、女子プロレスカードのシークレット版は、あそこから始まったのでした。

 そのシークレットカードの直筆サインカードと、あと2種の極秘サインカードについては、ここでは触れません(担当の意図とは別に、いずれ他のコラムなどでは扱われるかもしれませんが……)。一つや二つ、公式でハッキリと明示しない秘密があるのも、スポーツカードの楽しさだと思うので。そんな遊び心を持ちながら、今後の展開を考えていきたいと思っています。

 さてさて、女子プロレスカードのコラムはこれで終わりではありません。次回は毎回話題沸騰のあの人気(?)企画をお届けします。そう、栄えある“チェキ番長”の発表です。例年よりもさらにグレードアップした、チェキ最高峰の闘いがここにある──。

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