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2026-04-24

【連載 大相撲が大好きになる 話の玉手箱】第37回「ハイ、納得」その3

平成29年初場所4日目、御嶽海は鶴竜を一気に押し出して金星を獲得

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勝ちか負けか、白か黒か、1つしかない力士たちの言動はスッキリしたものです。
見ていても、あるいは聞いてみても、胸にストンと落ちます。
やっぱり物ごとはこうでなくっちゃ。
そんな、そりゃそうだと納得がいくエピソードを集めてみました。
※月刊『相撲』平成31年4月号から連載中の「大相撲が大好きになる 話の玉手箱」を一部編集。毎週金曜日に公開します。

勝っても浮かれず

勝負師は、ときには非情にならなければいけない。辛いけど、当然ですね。
 
平成29(2017)年初場所4日目、西前頭筆頭の御嶽海は横綱鶴竜(現音羽山親方)にどちらが横綱か、分からないような相撲で快勝。2日目の日馬富士戦に続いてこの場所2個目の金星を挙げた。鶴竜の引きに乗じて一気に押し出したもので、

「1場所で2個も金星が取れるなんて思ってもいなかった。それも自分の相撲で、前に出て勝てた。ものすごく自信になります」
 
と大喜びだったが、本人以上に喜んだのは、出身地の長野県木曽郡上松町から約40人の後援会員たちと応援に駆け付けていたご存じ、フィリピン出身の陽気なママ、マルガリータさんだった。
 
帰り際、御嶽海に報道陣から、

「お母さんと一緒に写真を撮らせて欲しい」
 
と注文が飛んだ。もちろん、ママは乗り乗り。しかし、御嶽海は一転して真顔になり、こう言って断った。

「心が痛むけど、まだ4日目ですから。(一緒に写真なんか撮って)浮かれている場合じゃない」
 
確かにそのとおりだ。この勝ってカブトの緒を締めよ精神が功を奏し、この場所の御嶽海は11勝(4敗)して初の技能賞を受賞。翌場所、小結に返り咲いた。

月刊『相撲』令和4年4月号掲載

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