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2022-05-15

【相撲編集部が選ぶ夏場所8日目の一番】隆の勝、初金星を獲得しトップグループに浮上

隆の勝のモロ差しから一気の寄りに土俵を割る照ノ富士

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隆の勝(寄り切り)照ノ富士

7日目まで1敗でトップだった平幕の佐田の海と碧山が相次いで敗れ、2敗力士がトップグループに浮上。その中の1人、西4枚目の隆の勝が照ノ富士に挑戦した。

照ノ富士に対しては十両での初対戦から4連勝していたが、最近は照ノ富士が6連勝。ただ、今場所の照ノ富士は立ち合いから一気に攻められるともろい。隆の勝も横綱が負けた相撲を見ているだろうし、期するものがあったはず。

立ち合い、隆の勝はモロ手突きを選択。右のノド輪が伸びて照ノ富士の上体を起こすと二本入ってモロ差し。休まずに一気に寄って出た。土俵に詰まった照ノ富士は右から突き落としたが、その前に左足が土俵を割っており、土俵下の二所ノ関審判(元横綱稀勢の里)から手が挙がっていた。

照ノ富士は3敗となり、隆の勝は初めての金星を獲得した。「本当にうれしいです。胸を借りるつもりで思い切り全力でいきました」とトレードマークの笑顔がはじける。

「止まったら重いので、上体を浮かせて中に入って一気に攻めようと思っていました。いい相撲で勝てて自信になります」

これでトップグループに浮上したが、「そういう意識はないです。星を意識したらいい相撲が取れないので、いつもどおり集中していきたい。いい流れで来ているので頑張ります」と語る。

先場所は小結で4勝11敗と負け越してしまったが、三役の常連と言っていい存在だ。今場所は同学年の若隆景、阿炎が関脇で、1歳上の大栄翔が小結。「同世代が上にいるので、負けていられない」と気合が入る。これから上位陣との対戦となるが、面白い存在となりそうだ。

優勝争いを整理すると、2敗でトップグループを形成するのが、番付順に玉鷲、隆の勝、碧山、佐田の海、一山本の平幕5人。三役以上が1人もいないのが寂しい限りだ。

続いて3敗が照ノ富士、貴景勝、阿炎、豊昇龍、大栄翔、霧馬山、翔猿、宇良、若元春、琴勝峰、千代大龍の11人と大混戦。優勝ラインがどこまで下がるかは、照ノ富士次第ではないだろうか。

文=山口亜土

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