close

2022-06-03

【ボクシング】6月7日決戦の記者会見。井上尚弥には「通過点に過ぎない!」

井上(左)とドネア。両雄はほとんど目を合わすことはなかった

全ての画像を見る
 あと4日後に迫ったバンタム級の世界3団体統一戦(6月7日・さいたまスーパーアリーナ)の最終記者会見が、3日、横浜市内のホテルで行われた。WBAスーパー・IBFチャンピオンの井上尚弥(29歳=大橋)は「ワクワクしている。試合は自分自身が一番楽しみにしている」と語ると、WBCチャンピオンのノニト・ドネア(39歳=フィリピン)が「自分のボクシング人生で最大の戦いになる」と応じるなど、会見場には早くも熱風が吹き抜けていた。

 ひな壇に上るとき、軽く会釈をしあったくらいで、両者が視線を合わせることはなかった。井上はまっすぐ前を向いたまま、まんじりともしない。1度、2度、ドネアが目を向けても、一切応じなかった。

 その井上の言葉も強気そのもの。最初の一言こそ「2年7ヵ月ぶりのドネア戦ということでモチベーションが上がります。机の上に並んだ3本のベルトを見ているとなおさらワクワクしています」とあいさつ半分だったが、前戦に話が及ぶと「ドネアとの12ラウンドは自分にとってプラスしかありません」

 そして、実質5階級制覇のレジェンドが「自分のボクシング人生、もっとも大事な試合になる」との発言に対しても、井上は「自分にとっては通過点に過ぎません」と切り返し、会見場には沈黙のままにどよめきが走ったように思えた。

 もちろん、そのターニングポイントを井上が軽視しているわけではない。もっとも大事な戦いだからこそ、こんこんと熱い思いがこみ上げる。

「ドネア戦以降の3試合は相手のことがいろいろ言われますが、自分のモチベーションが絶えたことはありません。そして、この試合、ドネアとの戦いが決まってから始めたトレーニングで、自分は成長できたと思っています」

 ドネアのほうは「前戦で、自分の中に火が点いた。あのときはベストではなかった。今は自信がずっと大きくなっている」

 もはや、待ったなし。軽量級史上、最強レベルの強者同士による戦い。残りの4日が待ち遠しい。

文◎宮崎正博 写真◎山口裕朗

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事