close

2022-06-10

【アメフト】日大 vs 法大 期せずして「2年生QBを育成する試合」に

【日大 vs 法大】第1Q、日大QB金澤から、WR西山にTDパスが決まる=撮影:北川直樹

全ての画像を見る

春のアメリカンフットボールの法政大学オレンジ対日本大学フェニックスの交流戦は、6月5日開催され、日大が14-13で競り勝った。両雄は、過去2シーズン、関東一部TOP8の秋季リーグ初戦で顔を合わせ、勝利したチームが、その後も勝ち進んで甲子園ボウルに出場している。
 日大・金澤檀(まゆみ) 法大・谷口雄仁(たけひと)と、期せずして、2年生QBの対決となった試合を振り返る。
【日大 vs 法大】第4Q、法大の切り札、RB星野がTD=撮影:北川直樹

日本大学フェニックス○14-13●法政大学オレンジ
(2022年6月5日、富士通スタジアム川崎)

 日大は第1Q9分、QB金澤から187センチ89キロの大型WR西山裕次郎にタッチダウン(TD)パスが決まって先制(エクストラポイントは失敗)した。日大は、第2Qにもオフェンスがドライブを重ねて2本のFGを決め12-0で後半へ折り返した。
 日大は第3Q2分に、DL田村彪がセーフティーを決めて2点を追加し、2TD差とした。追う法大は、第3Q、金澤からLB川村智紀がインターセプト。直後のプレーで、QB谷口がWR高津佐隼世にTDパスを決め、1TD差とした。
【日大 vs 法大】今季、日大主将は2人。オフェンスの主将、WR山下=撮影:北川直樹

 法大はさらに第4Q、DL陣が日大QB金沢にハードヒットしてファンブルさせリカバー。このチャンスに、それまでラン50ヤード足らずに抑え込まれていたエースRB星野凌太朗が54ヤードを走ってTDした。法大は逆転を狙って2ポイントコンバージョンにトライしたが、谷口のパスは失敗し、13-14となった。 
 結局この1点が勝敗を分けた。
 日大・金澤、法大・谷口は、共に最後まで1人でQBを務めた。金澤はパス18/31で242ヤード、1TD、2INT。谷口はパス13/30で113ヤード、1TD、1INTだった。


中村監督、金澤は「エースとしての自覚が出てきた」

 日大の中村敏英監督は「この春は、心の成長、チームとしての成熟を主眼に置いている。結果的には勝ったけれど、法大さんが、最後(2ポイントコンバージョンで)勝ちに行ったという勇敢な姿勢で、こうなっただけ。試合としては互角だった」と振り返った。
金澤については、「この試合は、何かアクシデントがない限りまるまる全部任せようと決めていた。前の試合の中央大学戦から判断が良くなって速くなってきた。エースとしての自覚が出てきた。平本(恵也)ヘッドコーチ(HC)がQBをしっかりマンツーマンで鍛えてくれているのも大きい」という。

【日大 vs 法大】急速に成長しつつある日大QB金澤=撮影:北川直樹

 一方の法大は、今春、有澤玄HCが退任し、オフに加入した富永一アシスタントHCが昇格、指揮を取った。昨年は9年ぶりに関東を制して甲子園ボウルに出場したが、富永HCは「王者とか、そんな意識は丸でない。我々はもっと変わらなければ勝てない」と話す。負傷の4年生QB平井将貴に無理をさせず休ませたので、次のTOP8を担うべき2年生QBの共演となったが「(谷口には)今日の結果を真摯に受け止めてほしい」という。

【日大 vs 法大】法大の富永HCと話すQB谷口=撮影:北川直樹

 富永HCは、日大の中村監督とは、2学年違い。オービックシーガルズのライスボウル4連覇時に、富永HCがオフェンスコーディネーター、中村監督がWRコーチという、「仲間」だった。
 また、龍村学、菅原俊という当時のオービックの両QBが法大でコーチを務める。そして、Xリーグの覇を競った相手、富士通のエースだった日大・平本HCもQB育成に余念がない。

 今秋の関東大学1部リーグは、TOP8・BIG8共に10チームを5チームずつ2ブロックに分けて1次リーグを行い、1次リーグの結果で上位と下位に分けて2次リーグを行うこととなっており、日大と法大は1次リーグで対戦が決まっている。

 秋の両雄の対決はどうなるのだろうか。
【日大 vs 法大】日大QB金澤をしとめて,気勢を上げる法大DL山田 =撮影:北川直樹

【日大 vs 法大】今季、日大主将は2人。ディフェンスの主将、LB安東=撮影:北川直樹

【日大 vs 法大】試合後、選手たちに語りかける日大の中村監督=撮影:小座野容斉

【北川直樹、小座野容斉】

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事