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2020-07-07

【NFL】QBマホームズがチーフスと契約10年延長 最大540億円、MLBトラウト抜き米スポーツ史上最高

米プロフットボールNFLのカンザスシティ・チーフスは、現地時間7月6日、エースQBパトリック・マホームズと10年間の契約延長で合意したと発表した。スポーツ専門局ESPNによると、契約総額は4億5000万ドル(483億円)で、インセンティブ(出来高払い)部分を含めると、最大で5億300万ドル(540億円)に達するという。ESPNによれば、これまでの米プロスポーツの最高額契約は、MLBロサンゼルス・エンジェルスの強打者、マイク・トラウト外野手が2019年3月に結んだ、12年総額4億2650万ドルだった。マホームズの今回の契約総額はトラウトを抜いて、米史上最高額契約のプロスポーツ選手となった。【小座野容斉】

 マホームズの平均年俸は4500万ドルとなるが、これまでNFLの最高年俸選手は、シアトル・シーホークスのQBラッセル・ウィルソンで、1年あたり3500万ドルだった。ウィルソンを始め、NFLでは契約総額で2億ドルを超えた選手はこれまでいなかった。

 マホームズは、1995年9月生まれの24歳。父は、日本の横浜ベイスターズにも所属したプロ野球選手のパット・マホームズ。父譲りの強肩と、高い運動能力で、ディフェンスのパスラッシュを恐れずに次々にロングパスを決めるプレースタイルが特徴で、テキサス工科大から2017年のドラフト1巡10位指名でチーフスに入団した。

 ルーキー年はバックアップだったが、2年目の2018年は先発に昇格し、パスで5097ヤード、50タッチダウン、パサーズレーティング113.8を記録する大活躍で、NFLの最優秀選手(MVP)に、史上4番目の若さ(23歳104日)で選ばれた。このシーズンは、AFC決勝で、ニューイングランド・ペイトリオッツに接戦の末に敗れ、スーパーボウル進出はならなかった。

 2019年は、シーズン序盤でひざを故障し2試合を欠場したが、パスで4000ヤードを超え、ポストシーズンでも快進撃で念願のスーパーボウルに進出。サンフランシスコ49ナースに、第4クオーターで10点をリードされたが、2本のTDパスで逆転勝ちの立役者となった。チーフスは50年ぶりにスーパーボウルを制覇し、マホームズは史上最年少でスーパーボウルMVPにも選ばれた。

 ESPNによれば、マホームズはプレーオフやスーパーボウルも含めた過去2シーズンで、パス10602ヤード、89TD、27勝を挙げたが、いずれもNFL1位だという。

 マホームズはルーキー時の契約が最大5年だったため、まだ2年残っており、10年の契約延長で、今季から12年、2031年シーズンまでチーフスに在籍することになる。NFLでは、MLBなどと違い、長期の大型契約は全額保証されていないことが通例で、マホームズに確約されているのは1億4000万ドルだが、これもNFL史上最高となる。また契約には、トレード禁止条項も含まれているという。

 NFLでは、ダラス・カウボーイズのQBダック・プレスコットが契約交渉中で、7月中旬までにまとまらなければ、今季をフランチャイズタグ契約の3140万ドルでプレーすることになる。プレスコット以外にも、ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソンや、2019年のMVP、ボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソンらが大型契約を視野に入れている。今回のマホームズの契約は、これらの若手QBの契約に大きな影響を与えそうだ。

米プロスポーツ史上最高額で、チーフスと10年契約を延長したQBマホームズ。2020年2月のスーパーボウルで撮影=photo by Getty Images

50年ぶりにチーフスにスーパーボウル勝利をもたらし、ロンバルディートロフィーを掲げるQBマホームズ=photo by Getty Images

50年ぶりにチーフスにスーパーボウル勝利をもたらし、歓喜するQBマホームズ。史上最年少のスーパーボウルMVPにも輝いた=photo by Getty Images

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