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2022-07-23

【陸上】やり投・北口榛花が銅メダル獲得で女子フィールド種目日本人史上初のメダリストに。課題一つひとつの克服が偉業に結びつく

歴史的偉業を成し遂げた北口 写真/三尾 圭

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ライバルとの対戦の積み重ねが
メダル獲得率を上げる

昨夏の東京五輪では「その試合で力を発揮できた選手が勝つ」ということを目の当たりにした。オレゴンの北口は完璧ではなかったが、どの選手も完璧でないなかで闘い、優劣がつく。やり投はその傾向が強い種目なのだろう。

67m40の自己記録を持ち、大会前のシーズンベストが1位だったM・マローン(アメリカ)は54m19で予選落ちに終わった。マローンだけでなく、シーズンベスト上位3人が予選落ちした大会だった。

4位の劉は東京五輪金メダリスト(66m34)で、19年世界選手権ドーハも銀メダル(65m88)、18年アジア大会も金メダル(66m09)。高いレベルで安定している選手だが、今回は前述のように63m25でメダルを逃した。珍しく力を発揮できなかったが、世界選手権前に今季は1試合もしていないことから、ケガや体調不良があったと想像できる。そこから仕上げてきたのならやはり強い。

金メダルのK・L・バーバー(オーストラリア)はドーハ大会の金メダリストで東京五輪は銅メダル。どちらも決勝では、予選から大きく記録を上げてくるが、今大会でも予選の61m27から決勝で66m91の今季世界最高と記録を上げてきた。信じられない勝負強さである。

北口は今後、こうしたメンバーたちと勝ったり負けたりの勝負を繰り返していく。毎回メダルを取るのは簡単ではないが、メダル獲得率を少しでも上げていく。

詳しく紹介するのは別の機会としたいが、北口は現在も投げの局面で「右足の離地が早い」という課題に取り組んでいる。課題一つひとつをクリアしていけば、まだまだ完成度は上がっていく。

「今回と同じようにメダルを取り続けて、最終的には一番良い色のメダルを取りたい」

女子フィールド種目初のメダル獲得が実現した2022年7月22日は、日本人女子選手が、マラソン以外では初となる金メダルに向かってスタートした日になった。

北口は課題を一つひとつクリアすることで地力を上げてきた 写真/三尾 圭
課題を一つひとつクリアすることで今後は世界の頂点を目指していく 写真/三尾 圭

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