井岡一翔(Ambition)。WBO世界スーパーフライ級チャンピオンに焦りの色はなかった。「一度、引退しているんですから」、試合の間隔がこれくらい空いたって問題ないという。精密に組み立てた技巧を複層的に使いこなす軽量級で世界屈指のテクニシャンは、望みの在りかまで、また道半ばだとあらためて強調する。ボクシング・マガジン8月号では、世界のど真ん中で勝負したいという4階級制覇王者に、緊密に迫った。
上写真=「たとえベルトがかからなくても、世界中が注目するような戦いをしたい」
ボクシングのおけるライフスタイルは「年がら年中、懸命に練習するタイプではありません」。試合が決まるまではあくまでもオフ。感覚を保つだけのもの。戦いの日程が決定してからが本番だと井岡は言う。「何もないときに、(スパーリングで)人を殴っても仕方ないでしょう」。そういうやり方で、日本人初の4階級制覇を達成したし、きわめて高密度の技術体系を身につけてきた。だからこその、今の余裕だ。
もちろん、日常の全編からボクシングを排除しているわけではない。週2度3度はジムに行く。頭で作り上げたイメージを、そのまま動きに連動するために、有効な強化プログラムも欠かさずにこなしている。
今後はあくまで未定。それでも決して揺るがぬ目的地点が井岡にはある。「たとえベルトがかかっていなかったしても、世界中が注目してくれる」。そんな最高峰の戦いをしてみたい。だから、必ずしもベストウェイトとは思っていないスーパーフライで戦っているという。
ただし、新型コロナウイルス流行の影響で、望むファイトを実現できるのはすぐには難しい。「戦うことが、自分を前に進めるのなら」と若き3階級制覇王者、田中恒成(畑中)との戦いにも言及していった。
「頭で考えることを、すぐに動きに連動する訓練は続けています」
写真◎ワンダン・ダワー
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