戦うモチベーションを失いかけていた連続KO男に、ふたたび光明がさした。元WBC世界フライ級チャンピオン比嘉大吾(24歳)が、プロデビュー以来、一緒に走り続けてきた野木丈司トレーナーとともに、Ambition GYMへの移籍を決めた。「野木さんともう1度世界を目指す。ボクシングだけに集中して取り組みたい」。ギラギラとする眼差し、生気に満ちた全身──。これまでのこと、そしてこれからのこと。発売中の『ボクシング・マガジン8月号』で、比嘉が克明に振り返る。
上写真=取材したのは移籍会見の前日。会見当日、髪の毛を切ってサッパリした
後輩・大湾硫斗とマスボクシング。公園の傾斜を利用するユニークなラウンドも。足腰にさらに負荷をかけ、バランス感覚を養うため
ハードなことでその名を轟かせている“野木トレ”。「キツイっす!」と泣き言のように繰り返すが、その表情からは生きている実感、強くなっている手応えがにじみ出す。
嬉しくてたまらない。誰もがそうだった。でもいつしか忘れ、失われていく少年のころの純心。それをまさに比嘉大吾は取り戻し、そのど真ん中を駆け続けている最中なのだ。
トレーニングの締めは体幹トレーニング
だが、決して忘れてはならない“過去”がある。どんなに苦しくても、ボクサーとしておかしてしまった過ちは、消し去ることはできない。あのとき何があったのか。いや、それ以前から、比嘉の体に何が起きていたのか。
2018年2月、地元・沖縄でのV2戦、そして4月、王座を剥奪された状態でリングに上がり、初黒星を喫したあの試合……。
ようやく心の底から笑える環境が整った
比嘉大吾のこの2年、そしてふたたび起ち上がり、駆け出したいまからを、ライターの加茂佳子さんがインタビュー。『ボクシング・マガジン8月号』に、リアルな描写と、柔らかさという絶妙な筆致で、比嘉大吾の“生”を著す。
写真_本間 暁
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