
いよいよ再始動を果たした日本プロボクシング界。決して予断を許さない状況は続くが、だからといって立ち止まっているわけにはいかない。トップボクサーたちも、これまでの閉塞した環境の中から一気に気持ちよく飛び出した──。
今日15日発売の『ボクシング・マガジン8月号』では、様々な「再起」をテーマにした大特集を掲載。ボクサーたちの喜びの表情や、元気に取り組むトレーニングの模様をお伝えする。そのオープニングを飾るのは、WBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオン井上尚弥(27歳=大橋)だ。
上写真=動き出したボクシング界。ジムにもあの活気が戻って来、井上尚弥の表情にも喜びがあふれた
写真_山口裕朗
Photos by Hiroaki Yamaguchi
うっすらと日焼けした全身、快活な笑顔と声。3月上旬以来、3か月半ぶりの対面取材だったが、井上尚弥が発散するエネルギーの心地よさは、なにも変わらないどころか、ますますパワーアップしている印象だった。
インタビューはいつものようにテンポよく。ボクシング同様、決して逡巡することなく、けれども常にズバリと核心を突いてくる
「カシメロのことはもちろん頭にありますが、でもほぼ基礎トレーニングをやっていました。基礎トレはやっぱり楽しいです」
小学1年から実に20年超。何千、何万、いやそれ以上、打っては動きを繰り返してきた。来る日も来る日も明け暮れてきた、その基本を磨く練習を、いまもなお「楽しい」と語るのだ。
多少なりともマンネリを感じてもよいはずだが、井上尚弥はそれをいつものごとく、きっぱりと否定する。そして、「やればやるほど、強くなる実感があるから」と──。

繰り返し、磨き続けられてきた井上尚弥のフォームは、一切の無駄が削り取られ、“美しさ”のみが残る
今回のインタビュアーは、森合正範さん(東京新聞)。常にボクシング愛にあふれる記事を書き、ボクサー、同業取材者からも慕われる存在。もちろん、井上尚弥とも、お互いがそういう意識を多分に持っている。

大橋秀行会長(中央=元WBC・WBA世界ミニマム級チャンピオン)と並ぶ、同ジムが生んだ世界チャンピオンが勢ぞろい。世界王者1号の川嶋勝重さん(会長の左隣=元WBC世界スーパーフライ級チャンピオン)、3階級制覇の八重樫東(左端)、弟・拓真(元WBC世界バンタム級暫定チャンピオン)と。写真_本間 暁
インタビューは軽快に進んだ。井上尚弥がリング上で示すのと同様、ハイテンポでリズミカルに。発せられる言葉は、いつも同じようでいて、でも、会うたびに、深みが少しずつ増している。だから、何度取材を重ねようが、こちらも新たな発見がある。
世界を席巻する男の、刻々と進化を遂げる姿を、その目で確認していただきたい。
喜びと同時に、闘争心も再発火。いつ見ても精悍だ
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