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2022-07-31

【ソフトボールの魅力とは?】指導者編

休刊前最終号となるソフトボール・マガジン9月号が、7月23日(土)に発売となりました。最後は、競技者&読者の皆さんと、ソフトボールの魅力について語り合えたらという思いを込めて、『ソフトボールが好きだ!』という特集タイトルを付けました。

 特集内では、JDリーガー、日本リーガー、一般競技者、指導者、ソフトボールファン、審判員&記録員の皆さんにアンケートにご協力いただき、競技を「する」「みる」「ささえる」といった立場から、ソフトボールの魅力についてあらためて語ってもらいました。ここでは、誌面スペースの都合上、紹介し切れなかった指導者の皆さんのアンケート全文をご紹介していきたいと思います。



指導者編
<質問内容>
Q1.あなたが指導者になろうと思ったきっかけは?
Q2.今もソフトボールの指導を続けている理由は?
Q3.ソフトボールのどんなところに魅力を感じるか?
Q4.指導をしていて最も幸せな瞬間は?
Q5.あなたにとってソフトボールとは?

<高校指導者の回答>
■長澤正子監督(創志学園高校)
A1. 高校の保健体育の教諭を目指して大学に進学しました。教員になり小学・中学・高校とこれまで育んださまざまなソフトボール経験を生かして、次世代の人材育成に務めたいと思いました。
A2. 現チームも文武両道への取り組みがよく、ソフトボール部は模範生として学校を引っ張っています。毎年チームは変わりますが、選手からエネルギーをもらって今年も素晴らしいチームをつくろうと頑張れています。そして指導方法もベテランから若手へ伝授して、今後のソフトボール界の発展へとつないでいきたいです。
A3.縁があって集まった選手が日々の練習により、それぞれの特徴を生かしながら一つのチームになっていきます。試合に勝つためにいろいろと戦略は練りますが、集団競技のようで個人の能力と役割を問われます。守備でのファインプレーやここ一本のタイムリー!一人のナイスプレーで心が一つになって皆で喜べます。野球と違って距離が短くスピード感があって面白い競技であると思います。
A4. ある年の4月、入学してきたある選手の母親に「レベル的にウチの子が来る学校ではありませんね」と言われたことがありました。そのとき私は、「お母さん始まったばかりです。これから見守っていてくださいよ」と返しました。その選手は岡山出身でしたが寮に入り、毎日人の何倍も努力し、グラブには家族の名前を刺繍して頑張りました。3年生の公式戦では右に左に二塁打の大活躍。セカンドベース上で拳を突き上げた姿には誰もが涙しました。その選手は現在、岡山で小学校の教員で頑張っています。
A5.小学校5年生のときに学校対抗で選手として選ばれたのがソフトボールとの出合いです。そのお蔭でソフトボールを通じてたくさんの方々と出会い、幸せな人生を歩んでこられたと感謝しています。卒業後も多数活躍しているOGを応援しながら、これからも長くソフトボールを愛していきたいです。

■渡辺 努監督(山梨学院高校)
A1. 高校までは野球をしていましたが、大学(日本体育大学)でソフトボール部に入ったことがきっかけです。 
A2. 自分を生かせる場所であり、また、少しでも必要とされていると感じられるときがあるからです。
A3.野球型スポーツとして一球ごとに考える時間があるところ。ただし、間があることによって良かったこと、悪かったこと両方ありましたが。 
A4. チームスポーツとして皆で喜んだり、悲しんだりできるところ。特に選手の成長した姿を見たときや、試合で勝利して選手や関係者が喜んでいる姿を見ているときが最もうれしいです。
A5.一言では言えません。24歳で強豪校の監督をやらせていただき、現在まで30年以上、公式戦だけで1000試合以上、監督として采配を振るってきました。そのすべてが財産です。

■山口義男監督(大村工業高校)
A1. 小学2年生から社会人までソフトボールをプレーして、自分が好きなスポーツを深く知りたいと思ったからです。
A2. 負けたくないこと、良い指導ができるようになりたいことが理由です。
A3.個性を生かしポジションや役割を決めて、全員で守り全員で攻めるところです。また、塁間が短いのでスピード感と迫力があり、引き締まったゲーム展開を楽しむことができるところです。
A4. オリンピックでソフトボールがテレビ中継されたときです。映像で見るとグラウンドとはまた違った魅力を感じます。東京オリンピックの金メダルは感動しました。
A5.国内で最も親しまれているメジャーなスポーツ。多くの人に日本リーグや代表のソフトボールを見て楽しんでもらえることを目指していきたいです。

<大学指導者の回答>
■舟山健一監督(東北福祉大学)
A1. 星野昭先生、岡部宣男先生から、考えてソフトボールをする楽しさを教えていただきました。すでに現役を引退していたので、指導者となりもっとソフトボールを勉強したいと思いました。
A2. 二つあります。一つは、今、目の前にいる選手のためです。二つ目は、星野先生、岡部先生、卒業したOB、五味振太郎さんはじめ後援会の方々、震災でお世話になった前田さんはじめチームを支えてくださる(った)方々のためです。
A3.現役時代は、いいピッチャーを打ったときの爽快感、指導者となってからは、ミスをしてもチームで支え合えるところです。また、リエントリー制度には、大きなな教育的価値を感じています。
A4. 何気ない、毎日の活動が幸せな瞬間です。
A5.ソフトボールを通じてさまざまな出会いがあり、人生の酸いも甘いも教えてもらいました。ソフトボールのおかげで、充実した人生を送らせていただいています。私にとってソフトボールは最高の「刺激」かなと今思っています。

■二瓶雄樹監督(日本体育大学)
A1. 受動的な理由で指導者になりました。大学のベースボール型教員の採用枠があり、それに公募して採用していただきました。野球部出身であった私が、ソフトボールの実技を担当することになり、その方針の一環で男子ソフトボール部の監督に任命されました。その後、女子ソフトボール部の監督を兼任し、現在はソフトボール部部長兼女子部監督をしています。大学院を卒業するまでの自分は、ソフトボールの指導者になりたいと強い志を持っていたわけではないため、「必要に駆られてやっていたらこういう立場になった」というのが実情です。
A2. ソフトボールの指導者は、他の競技に比べて勝敗への関わりが強いと感じています。選手起用、戦術、サインプレー、コーチャーズボックスでの指示判断など、プレイヤーと変わらないかそれ以上の「パフォーマンス」が必要とされる役割があると思います。そういう意味で、選手とともに試合に挑み、同じグラウンドの上で気持ちや経験を共有できることが最大の魅力であると思っています。この魅力を知ることができたからこそ続けているのだと思います。
A3.上述の通りです。
A4. 2点あります。1点目は面白い試合を展開できたとき。勝敗にかかわらず、観ている人が「面白かっただろうな」、「見どころがたくさんあったな」と思える試合を終えたときに幸せを感じます。2点目は卒業生が中京大学ソフトボール部で良かったと言ってくれてつながりを感じたとき。卒業後も顔を出してくれたり、手伝いに来てくれたり、差し入れをしてくれたりするのを見ると幸せを感じます。
A5.人生の中心。良いことも悪いことも、楽しいことも苦しいこともソフトボールを通して経験させてもらいました。また国内のみならず、海外も含めてさまざまな場所でソフトボールを通した数々の経験をさせていただいたことで、人としての視座の広がりや交友関係の拡大を実感しています。ソフトボールがなかったら今の自分はいないと言える、そういう存在だと思います。

■髙橋流星監督(日本体育大学)
A1. 指導者になろうと思ったことはありませんが、さまざまな巡り合わせや多くの方々との出会いで指導者になれていますし、いろいろな方の支えがあって、今の自分がいると思っています。
A2. 指導者は学生の人生の一部に触れていて、大学4年次には人生の大きな分岐点を迎えます。学生がその分岐点に立ったときにサポートをできることは、指導者としてとても大きな仕事でもありますし、無責任なことはできないと思っています。また、本学は下奥信也先生がウィンドミル投法の研究をはじめ、普及・発展・強化をしてきた歴史と伝統がある大学です。多くの指導者を輩出し、今後のソフトボール界を担う人材を育成しなければならない大学でもあり、使命でもあります。
A3.言葉がなくても、気持ちを共有することができたり、共感できる競技だと思います。ルールを守ったり、相手のことを思ったり、協調性を高めたり、教育にとってもとても良いスポーツだと思います。
A4. 卒業生が帰ってきてくれたり、メッセージをくれたりしたときが、とてもうれしい瞬間です。また、日々積み重ねてきたことが、実際の試合でできたときは、非常にうれしく思います。
A5.人生そのものです。

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