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2020-06-14

【ボクシング】入場曲にこめる想い──。チャンピオン7人が語る。

これまで『ボクシング・マガジンWEB』では、「~Fanfare~我が入場曲」と題したコラムで、井上尚弥(大橋=WBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオン)、田中恒成(畑中=元WBO世界ミニマム級、ライトフライ級、フライ級チャンピオン)、吉野修一郎(三迫=日本・東洋太平洋・WBOアジアパシフィック・ライト級チャンピオン)の3選手に、自身の入場曲にまつわるエピソードなどを大いに語ってもらった。そして、明日15日発売の『ボクシング・マガジン7月号』では、選手入場曲について巻頭で特集。この特集末には、男女世界チャンピオン、日本、東洋太平洋、WBOアジアパシフィック王者ら国内現役トップ選手42人の入場曲(曲名、ミュージシャンもしくは作曲者)リストを掲載している。その中から、7選手のコメントをアップ!

上写真=入場曲は、戦いの場へ上がる大切な儀式だ

取材_杉園昌之(重岡、久我、三代)、本間 暁(阿久井、清水、井上)、宮崎正博(坂)
写真_BBM

WBOアジアパシフィック・ミニマム級チャンピオン
重岡銀次朗(ワタナベ)GINJIRO SHIGEOKA
『GOODBOY』BIGBANG

「入場曲は固定していないんです。昨年の大晦日はこの曲を使いました。昔から聴いていて、かっこいいな、と思っていた曲です。すでに3回くらいはこれで入場していますね。お父さんも気に入っているんですよ。
 ただ、昨年7月にWBOアジアのベルトを獲ったときは、別の曲でした。寿君の『SUMMER DAYS』。実は同じ寿君の『SEASON IN SUMMER』で入場するはずだったんです。でも、会場の人が選曲をミスして、知らない曲が流れたんです。兄(優大=日本ミニマム級15位、ワタナベ)と2人でダンスパフォーマンスまで用意していたのに、この曲は聴いたことないぞって(笑)。それもあって緊張が吹き飛び、1ラウンドでKOできたので良かったんですけどね。会場の人にも『おかげで勝ちました』と感謝しました。
 だから、今年の夏こそは『SEASON IN SUMMER』で入場しようと思っていたのですが、まさかのコロナ禍。来年こそは、この曲を流して入場したいです」

日本フライ級チャンピオン
ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)SEIGO YURI AKUI
『レクイエム:Dies Iræ(怒りの日)』ジュゼッペ・ヴェルディ

「最近は僕の入場曲、安定してますね(笑)。いま使っている『レクイエム』は、映画『バトルロワイヤル』でも使われていた曲です。元々知っていて、雰囲気出るかなって。
 クラシック音楽で入場するのは、(岡山出身の先輩)池山(直=フュチュール、元WBO女子世界アトム級チャンピオン)さんの影響です。池山さんの入場を見て、『クラシック、カッコいいなぁ』と思って。 
 僕、“歌あり”入場曲を使ったのはレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)だけ(『Dani California』)。映画『デスノート』の主題歌です。歌あるのがあんまり好きじゃないんですよね。
 誰か、吉本新喜劇の曲とか使う人いないですかね(笑)。あ、でもリングインでコケなきゃいけんから(笑)。試合で勝てばいいですけど、試合でもずっこけてしまったら終わりですからね(笑)」

日本スーパーバンタム級チャンピオン
久我勇作(ワタナベ)YUSAKU KUGA
『International Love』ピットブル ft.クリス・ブラウン

「初めて6回戦(vs.鈴木悠介=三迫、現・日本バンタム級チャンピオン)に臨む前日計量のときでした。いきなり『あしたは入場曲があるぞ』と言われて、家にあるCDの中から急いで探して、これが一番いいかなと選んだ曲です。
 昔はヒップホップもよく聴いていたので。特別なこだわりもなければ、思い入れのあるエピソードもないんですけどね(笑)。この曲で入場したら、周りから『いいんじゃないの』と言われて、次からもこれにしようと思い、いままできています。いまさら変えにくくて。
 やっぱり入場曲があると、テンションが上がりますよね。最初はうれしかったですよ。あの曲を聴くと、試合が始まるんだ、というモードに入ります。家でも、ピットブルを聴くかって? あまり聴かないです(笑)。最近のお気に入りはハワイアンレゲエ。ゆったりとした音楽です。和んでしまうので、入場曲には向かないですね。
 これといったものがあれば、入場曲を変えてもいいのですが、ピンとこないんですよ。友人たちには『そろそろ変えれば』と言われ、新しい曲を提案されるのですが、しっくりこなくて……。ボクシング・マガジンで募集しておいてください(笑)」

東洋太平洋フェザー級チャンピオン
清水 聡(大橋)SATOSHI SHIMIZU
『I Don't Want To Miss A Thing』エアロスミス

「マイケル・ジャクソンの曲(『Don’t Stop 'Til You Get Enough』)で入場したこともありますが、いまのはそう、映画『アルマゲドン』の主題歌です。ハイテンポな曲よりも、スローなバラードが好きなんですよね。
 でも僕、映画観ないんですよ。ドラマもあんまり観ないですねぇ。『アルマゲドン』は観たことありますけど。いちばん最近観たのは『永遠の0』かな。それ以降、全然観てません。テレビではだいたいニュースを見てます。あ、でも、夕方に時代劇を観るときはありますよ」

日本スーパーフェザー級チャンピオン
坂 晃典(仲里)KOSUKE SAKA
『Never Give Up』シーア
※映画『LION/ライオン ~25年目のただいま~』主題歌

「(フェザー級に続き、日本2階級制覇となった)末吉(大=帝拳)戦では、この曲を使いました。どうしても負けられない試合だったから、あえて選びました。タイトルにもあるとおりの気持ちだったし、歌詞がとてもいいんです。
 曲は試合ごとに替えています。ジャパニーズ・ヒップホップの電波少女の『SKIT2』とか。選曲の基準は“ノリの良さ”です。
 デビュー当初は、ジャパニーズ・レゲエのナンジャマンの『BORN TO BE WILD』を使ってました。夢を与えてくれるという理由で」

東洋太平洋スーパーフェザー級チャンピオン
三代大訓(ワタナベ)HIRONORI MISHIRO 
『ギンギラギンにさりげなく』近藤真彦

「この曲を入場曲に選んだ理由は、僕がカラオケで歌っているからです。2年前くらいにカラオケにハマっている時期があり、そのときマッチ、近藤真彦でしたっけ? どこかで聴いたことあるなと思って、曲を入れて歌ってみたら、予想以上に場が盛り上がって。これはいいなと思い、入場曲にしました。
 でも、次の試合から変えようかなと思っているんです。変更する理由は特にないのですが、なんとなくです。最近、どうもあの曲を聴いても、気分が乗らなくなってきて……。
 新しい入場曲のイメージはないですが、次の試合を楽しみにしておいてください。曲を変えてない可能性もありますが……」

日本&WBOアジアパシフィック・スーパーライト級チャンピオン
井上浩樹(大橋)KOKI INOUE
『キズナミュージック♪』Poppin’Party
『NO GIRL NO CRY』Poppin’Party

「いまはPoppin'Partyの曲、2曲に絞っています。試合の1ヵ月ぐらい前からその2曲を聴いて、いまのテンション的にどっちが上がるか、直前まで考えます。
 前日計量のときにCDを(曲を流す)担当の方に渡すので、行くときの車の中で聴きながら決めますね。え? 八重樫(東)さんは普段は(入場曲を)聴かないんですか? 普段から聴いてないと、入場のときに逆に緊張しないのかなぁ。
 最近はアニソンですが、デビュー戦は浜田省吾の『勝利への道』を使ったんですよ。小学生のときに、プロボクサーになったら浜省の曲で入場したいって思ってたんです。その当時は、アニソンなんてありえないと思ってました(笑)。浜省の曲で入場するのは、小さいころからの夢というか目標でしたから。とりあえず、それを果たしたので、2戦目からは、現状好きな曲をかけようと。
(アニソン入場は)最初はいろいろ言われましたけど、逆にいまはアニソンじゃないと『え?』って思われちゃう(笑)。『コウキ、どうしたんだ?』って(笑)」

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