「うで体(猫背タイプ)」と「あし体(反り腰タイプ)」の分類によって、それぞれの体の特徴に合わせた動作や調整法を唱える「鴻江理論」による投球フォームの実践。今、注目を集めている菅野智之(巨人)の新フォームについて解説する。
2020年のプロ野球の開幕も間近です。今シーズンに向けた自主トレ、キャンプ、オープン戦で話題に上ったことの一つに、巨人・菅野智之投手の新フォームがあります。今年1月中旬、鴻江スポーツアカデミーの自主トレに参加してくれたときに、フォームについてもいくつかのアドバイスをさせてもらいました。今回はその中身について紹介させてもらいます。
昨季、11勝6敗の成績を残した菅野投手でしたが、腰痛に悩まされるなどコンディション不良もありました。そうした体の不具合は、自分の体の特徴に合った動きができていないことが原因だととらえています。菅野投手は猫背タイプの“うで体”なのですが、反り腰タイプの“あし体”の動作がフォームに現れていたのです。
本来、うで体は左の骨盤が開いて(後傾して)投げる方向に体が回っていきやすいので、軸脚にしっかりとタメをつくって投げにいきたいのですが、足が先行するフォームになっていてタメをつくることができず、左腰の開きが早くなっているようでした。
❶〜❸腕から始動し、軸脚に重心をしっかり乗せる準備動作として合わせた両手を右肩の前に引き上げる。その際、右手の人さし指を先行させる。グラブの先を二塁側に倒すイメージ
❹〜❼片脚立位姿勢で左肩から投げる方向にラインを引く。グラブを先行させてそのライン上に並進移動。グラブは小指で引っ張るイメージで下から上に動かす。右手は大きくテイクバックを取る
❽〜⓫カカトからステップしてステップ脚の太ももに体重を乗せていく。上半身はグラブを体の前の懐に収めていきつつ、丹田を中心 とした軸で回転。右手と左手を近づけて大きなボールを胸の前でつぶす感じでリリースする
まず、意識してもらったのはセットポジションで構えたとき、ノーワインドアップでは片脚立位姿勢になったとき、左肩からライン(真っすぐに延びる電車のレールのようなもので、その上でフォームを進めていく)を投げる方向に引くことです。うで体の右投手は投げる方向に体が回っていきやすいため、左肩をラインに乗せて動かすことで開きを抑えたいわけです。左肩(上腕骨頭)に意識を置いて、そこを支点に回転すると、体の前側の懐にグラブが収まる動きになります。
そして、合わせた両手を右肩の前に持ってきて始動するのは、上体の軸脚側へのひねりを入れてから脚を上げることで軸脚へのタメを強調するためです。菅野投手は現在30歳と体の硬さが出始める年代でもあるので、オーソドックスに体の正面で両手を合わせて始動するスタイルでは、体のひねりが十分に使えていなかったのだろうと推察しています。
また、細かく言うと、両手を引き上げていくときには、「右手の人さし指で引っ張る」ように意識し、両手を右肩の前に持ってきたときにはグラブの先が二塁側に倒れるようにします。そして、両手を離してグラブを投球方向に差し出していく際には「左手の小指で引っ張る」ことを意識してもらっています。そうすることで左手の小指を使って体の前で「」と描くような使い方をし、右手は大きな円を下から上に描くようにテイクバックをします。その際に心がけたいのが、両手の柔らかいコック(手首の尺屈−撓屈)を使って両腕をタテに動かしていくことです。ヒンジ(手首の掌屈−背屈)を使うと腕が横の動きになり、開きにつながります。
これらは、背中側にカベ(体がそれ以上向こう側にいかないように意識する)を持ち、体の前側の丹田を中心とした軸で体を回転させ、ステップ脚の太ももに体重を乗せて投げにいきたいうで体の右投手にふさわしいフォームにつながるものです。菅野投手にはこれらのことをお伝えし、フォームに落とし込む取り組みをしていただいています。
うで体は左側に足を上げやすい!
左の骨盤が開いている“うで体”は、左右の足ともに左側に上げるほうが体のバランスを保ちやすい。
あし体は右側に足を上げやすい!
右の骨盤が開いている“あし体”は、左右の足ともに右側に上げるほうが体のバランスを保ちやすい。
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解説 鴻江寿治
鴻江スポーツ アカデミー 代表
こうのえ・ひさお/鴻江スポーツアカデミー代表、トレーナー。1966年生まれ。福岡県出身。人の体が猫背型の「うで体」と反り腰型の「あし体」に分類されるとする鴻江理論から、それぞれの特徴に合わせた動作や調整法を確立。ファイナンシャルプランナーCFPの国際ライセンスを持ち、プロ野球の千賀滉大、岸孝之、ソフトボールの上野由岐子ら、多くのトップアスリートのアスリート・コンサルタントとして活躍。
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