アメフトの世界最高峰、米プロフットボール・NFLの第2週マンデーナイトゲームは、2試合が、現地9月19日に開催された。ニューヨーク州バッファローで行われたAFCのバッファロー・ビルズ対テネシー・タイタンズは、ビルズが大勝。ペンシルバニア州フィラデルフィアで行われた、NFCのフィラデルフィア・イーグルス対ミネソタ・バイキングスは、イーグルスが勝った。両チームは開幕から2連勝で、チーム力の充実を印象付けた。この両者が、来年2月のスーパーボウルで対戦する可能性もあるかもしれない。(写真はすべてGetty Images)
PCやスマホ、タブレットで見られるライブ配信サービス「日テレジータス NFLGO」今年は開幕からスタート!NFL Week2 MNFバッファロー・ビルズ○41-7●対テネシー・タイタンズ(2022年9月19日、バッファロー ハイマークスタジアム)
両者は昨シーズン、マンデーナイトゲームとして対戦し、34-31でタイタンズが勝利した。タイタンズのRBデリック・ヘンリーと、ビルズのQBジョシュ・アレンが、共に能力を存分に発揮した、好ゲームだった。あれから1年、両チームには驚くほどの差がついていた。
前半終了時、スコアは17-7とタイタンズが食い下がっているように見えたが、スタッツは完全にビルズが上回っていた。ファーストダウン更新は7回と14回で、倍。オフェンスの獲得距離は90ヤードと234ヤードと、2.6倍だった。
3Qは、その力の差がスコアとなって表面化した。タイタンズは5回のオフェンスシリーズで3回のパントに加え、インターセプト2回(1回はリターンTDされた)で、当然無得点。ビルズは4回のドライブで、2TD、1FG。「ピック6」も加えて24得点。
ここで勝負はついてしまった。
ビルズオフェンスは、大黒柱アレンがパス317ヤード、4TDで0INT。エースWRステフォン・ディグスは15回のターゲットで12回レシーブ、148ヤード3TD。ルーキーRBジェームズ・クックが33ヤードのロングゲインを含むラン51ヤードとめどが立ったのも大きい。
ビルズオフェンスは、開幕のラムズ戦から、この試合の3Qまで16シリーズ連続でパントなし。これは1991年以降のNFLでは最長だった。
タイタンズは、昨年のこのカードで、ラン20回143ヤード3TDと活躍したRBデリック・ヘンリーが、13回でわずか25ヤードに抑え込まれたのが最大の敗因だった。
QBライアン・タネヒルはパス117ヤードで0TD2INT。今さらながら、ヘンリーのランありきのQBだということが露呈した。オフにWRのA.J.ブラウンを放出しており、レシーバー陣も弱い。タイタンズは、終盤に、今春ドラフトで指名したQBマリク・ウィリスを投入したが、ほとんど何の役にも立たなかった。
この日、ビルズは、WRガブリエル・デービス、DTエドオリバーが欠場しており、ベストメンバーではなかったにもかかわらず圧勝した。現時点でNFL最強チームはビルズだということに異論をはさむ人はいないのではないだろうか。
NFL Week2 MNFフィラデルフィア・イーグルス○24-7●ミネソタ・バイキングス(2022年9月19日、フィラデルフィア リンカーン・フィナンシャルフィールド) 点差以上の差を感じさせるゲームだった。開幕戦で優勝候補の一角パッカーズを破ったバイキングスを、イーグルスが、オフェンスでもディフェンスでも上回り続けた。
イーグルスを勝利に導いたのは、3年目のQBジェイレン・ハーツだ。前半だけでパス17/20で成功率85%、251ヤード1TD。ランでも7キャリー50ヤード2TDと、チームの3TD すべてを叩き出した。
イーグルスは後半無得点だったが、それもそれほど気にはならなかった。
ハーツはロングボールのパスが得意だ。空中の距離が10ヤード以上のパスは8/11、173ヤード。2Qの冒頭には、WRクェズ・ワトキンスへの53ヤードTDパスを見事に決めた。
2本のランTDは、バイキングスの選手にタックルされながら、RB顔負けのセカンドエフォートでエンドゾーンに捩じ込んだ。マンデーナイトゲームでパス300ヤード以上、ラン50ヤード以上で、TDランを2本以上決めたQBは、マイケル・ヴィック、キャム・ニュートンに続いて3人目だという。
イーグルスディフェンスは、前週でQBアーロン・ロジャースに投げ勝ったバイキングスのカーク・カズンズを抑え込んだ。
プロボウル4回出場のベテランCBダリアス・スレイが、2インターセプトの活躍。バイキングスのWRジャスティン・ジェファーソンと17回マッチアップし、5回しかパスを投げさせず、わずか1回しかキャッチさせなかった。
カズンズはパス211ヤードで1TD3INT。マンデーナイトゲームでは通算2勝10敗となり、「大一番では勝てないQB」という評価を裏付けてしまった。