close

2019-12-13

【ボクシング】勅使河原弘晶、左フック一撃で東洋太平洋V3。「来年は世界獲る」

東洋太平洋スーパーバンタム級チャンピオン勅使河原弘晶(輪島功一スポーツ)は12日、東京・後楽園ホールで同級15位の川島翔平(真正)とタイトルマッチ12回戦を行い、5回3分9秒KO勝ちで3度目の防衛に成功した。

写真上=右で攻める勅使河原

 フィニッシュブローは、打ち合いの最中にアゴを捉えた左フック。どっと崩れ落ちた川島は、なんとか立ち上がったがダメージは深く、カウントアウトされた。

「スピード、パンチ力、テクニック、気持ち。どれも負けないと思っていました」

 試合後の控室で、勅使河原はそう言って胸を張った。「一発で倒してしまいましたが、もうちょっとダメージを与えたかった」とも。

 挑戦者の出来も悪くはなかった。しっかりとガードを固め、基本に忠実なジャブ、ワンツーで王者の懐に入るチャンスをうかがう。勅使河原は左で自分の距離をキープし、川島が入ってこようとすると強烈な右を合わせて接近を阻んだ。大胆にガードを下げ、筋肉に覆われた上体を小刻みに動かしながら重厚なプレスをかけていくのも、いつもどおりだ。

 公開採点で3〜4ポイント勅使河原のリードが確認されて迎えた5回。挑戦者の右を受け、王者が一瞬バランスを乱す。「効いたと思ったのかな」と勅使河原が振り返ったこの場面。初チャンスとばかり、一気に攻めて出た川島に、勅使河原もたちまち応戦する。「意識して練習してきた。当たれば絶対に倒れるパンチ」という左フックを撃ち抜くと、川島は深々とキャンバスに沈んだ。

「僕には輪島会長の魂が入っている」と勅使河原

 8月、大森将平(ウォズ)とのサバイバル戦を制し、世界へ名乗りを挙げた勅使河原はこれで今年3試合をすべてKO防衛。「来年は世界チャンピオンになる年」と改めて宣言した。

「30歳で世界チャンピオンになると決めてきた。今までも言葉先行でやってきて、そのとおりにしてきた。負けたら終わりというところまで、自分のキャリアは来ている。勝ち続けるしかない」

 テッシー、勝負のときは迫った。

文◉藤木邦昭
写真◉菊田義久

おすすめ記事

ボクシング・マガジン 2020年1月号

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事