23日、横浜アリーナで初防衛戦に臨むWBA世界ミドル級チャンピオン村田諒太(帝拳)が12日、練習を公開。スパーリング、ミット打ちなどで好調な動きを披露した。
写真上=「この一戦に懸ける」とバトラー戦への決意を示した村田

スティーンをコーナーに詰め、連打を浴びせる
練習を前に記者会見に応じた村田は「ここまでしっかりトレーニングをしてこられた」と落ち着いた表情で話し、「あとは疲れを抜きながら、風邪を引かないように気を付けたい」と仕上げに向け、気を引き締めた。
挑戦者スティーブン・バトラー(カナダ)については「KO率の高い、いい選手。WBOでは1位にランクされているし、それに見合った実力はあると思っている」と評価。注意すべきは「序盤にいいパンチをもらわないこと」とし、「しっかりプレッシャーをかけながらペースをつかめば問題ない」と、自信をうかがわせた。
「自分からプレッシャーをかけていくことが大事」としながらも「スタイルは相手の出方次第です」と村田。バトラーの主武器は右ストレートで「ショートではなく、長い距離のあるパンチ。気を抜かず、相手の距離に入ったときはブロッキング」と警戒する。バトラーが足を使うことも考えられるが、「そうしてくれればありがたい。前にプレッシャーをかけて打つだけです」と、こちらのパターンは歓迎した。
ロブ・ブラント(アメリカ)に劇的なTKO勝ちでリベンジを果たしてから迎える初防衛戦。「期待値は感じている。注目されている自覚はある」という村田だが、「世界へのアピールという気持ちはない。この一戦に懸ける」と、今はバトラー戦に集中していることを強調した。
「大きな野望とかモチベーションは重要じゃない。大きな目標を追いかけると、足元が見えなくなるから、そこはあまり考えていません」
7日にはイギリスの人気選手クリス・ユーバンク・ジュニアがWBAの暫定王座についたが、これについても「自分に与えられた試合をこなすだけ」と冷静に受け止めている。
「(暫定王座の設置は)興行の世界だから仕方ないこと。この流れは僕が止められることではない。プロって何かと言えば、お客さんのニーズだと思います。ニーズがあるなら(ユーバンクと)やるが、今はそこにフォーカスしているわけではありません」

リナレス・トレーナーのドラムミットに左フックをめり込ませる
練習ではアメリカから呼んだパートナー、アイザイア・スティーンと2ラウンドのスパーリングを披露。速いジャブを放ってくる長身スティーンを上下の連打でコーナー、ロープに釘付けにした。カルロス・リナレス・トレーナーとのミット打ちでは、ドラムミットやスティックミットも使用。リング内を軽快にサークリングするリナレス・トレーナーを正確なパンチとフットワークで追い、KO防衛を期待させる好調ぶりをアピールした。
文◎藤木邦昭
写真◎山口裕朗
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