close

2022-10-31

【陸上】福岡一高が初優勝、初の都大路へ、女子は筑紫女高が3年ぶり奪還

福岡一高は強豪校がひしめくなか、全国初出場を決めた(写真/新甫條利子)

全国高校駅伝の福岡県予選が10月30日、嘉麻市嘉穂総合運動公園周辺コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は筑紫女高が1時間09分37秒で3年ぶりに奪還。男子(7区間42.195km)は福岡一高が初優勝し、初めての全国切符を手にした。

「1、2区でトップと30秒差以内なら巻き返せると思っていましたが、(トップの)大牟田さんに約1分の差をつけられたときは、少し諦めかけました」

監督車から急ぎ足で戻ってきた福岡一高の中山徹先生が、「信じられないです」と息を弾ませながら戦況を振り返った。

主将の福嶋留魁(3年)が1区を任されたが、「5kmを過ぎた上りで先頭集団から離れてしまい、気持ちが切れそうだった」と福嶋は5位で中継。2区の山田堅斗(3年)から3区の舩津類生(2年)へタスキが渡ったとき、1位の大牟田高との差は59秒だった。

しかし「自信があった区間」と中山先生からの信頼を受けていた3区の舩津が35秒差に縮め、4区の濵村怜央(3年)が中継所の300mほど手前で大牟田高を逆転。以降はトップを譲らずに、1年生アンカーの辻誉は区間賞で逃げ切った。

福岡一高の駅伝部は、中山先生が15年前に部員ゼロから発足させ、初めて出場した2008年の福岡県予選は4位。その後、ケニア人留学生の活躍もあり、県予選で上位に入ることはあったが、全国5回優勝の大牟田高や、2019年に全国初出場で初入賞を果たした自由ケ丘高など、強豪校の多い福岡県予選を突破することは簡単ではなかった。

加えて今年度はコロナ禍の影響で留学生が来日できず、5000mで14分30秒を切る選手は舩津のみと、トラック平均タイムでは大牟田高に大きく差をつけられていた。

しかし部員16人全員がケガなく夏合宿を乗り越え「急成長した」と中山先生。今月9日の日本海駅伝で全国の強豪校と競い、7位(2時間06分47秒)に入ったことで「今年はチャンスかもしれない」と初優勝のシナリオを描いていたという。

全員が初めての全国高校駅伝。それでも福岡県代表というプライドがある。「2時間5分台で8位入賞を目指したい」と、中山先生が冬の都大路に目を向けた。

3年ぶりに都大路への切符を手にした筑紫女高(写真/新甫條利子)
3年ぶりに都大路への切符を手にした筑紫女高(写真/新甫條利子)

文・写真/新甫條利子

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事