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2022-10-22

【陸上】U18大会女子棒高跳で柳川・今井がワンツー「北海道インターハイでも優勝狙います」(柳川)

全国大会で初めてのワンツーを決めた柳川(左)と今井(右)。3m90の試技差で柳川が優勝を果たした(写真/中野英聡)

ベルドームで切磋琢磨する柳川と今井が初の全国ワンツー

高校トップレベルの選手たちが顔をそろえたU18女子棒高跳で、群馬の2年生コンビ、柳川美空(前橋育英高)と今井葉月(樹徳高)がワンツーを達成した。

共に3m50から試技を開始。3m60、70と順当に一発で成功した後、3m80は柳川が1回目、今井が2回目にクリア。次の3m90は柳川が2回目、今井は3回目に成功し、この段階で優勝争いは2人に絞られた。そして、バーの高さはU18日本記録を1㎝超える4m03へ。両者、惜しくもクリアならず、3m90の同記録ながら試技数差で柳川が優勝、今井が2位となった。

柳川は昨年、併催のU16の部を制しており、カテゴリーをまたいでの連覇を成し遂げた。今季は8月の徳島インターハイで5位にとどまるなど、「良い流れをつくれずにいた」と振り返る。インターハイ後には左足の甲を疲労骨折。9月中旬に治って、この1カ月は今大会に向けて練習を積んできたという。「特に2週間前からはきつい練習をしてきたので、跳べるのではないかと気持ちのゆとりが生まれましたし、今日は勝てる気がしたというか、勝つイメージができていました」と、自信を取り戻した。昨年のU16大会で出した自己記録の4m01を更新できなかったことを残念がったが、「今年初めてのメダルでしたし、シーズン最後の全国大会を良い結果で終われました」とホッとしたような表情を見せた。

一方の今井は、すべての高さを一発で跳んでいれば優勝できたことから、「一本一本の試技がとても大事だということが分かった試合でした。1回目で跳べなかったのが自分の弱さ」と反省点を口にした。2位に入った徳島インターハイで出した3m95の自己記録更新は果たせなかったものの、4m03の2回目は惜しい跳躍を見せ、「これはいける、と思いました」と今季中の4m超えに手応えをつかんだ。

違う高校に通う柳川と今井だが、棒高跳専用施設「ベルドーム」を拠点にするクラブチーム「ベルアスレチックスジャパン」で、小学生時代から切磋琢磨してきた仲間同士。現在はそろって田中成コーチの指導を受けている。これまで何度も全国入賞を経験している2人も、ワンツーは初めて。柳川が「やっとワンツーを取れました。金と銀のメダルをコーチにかけてあげられる。感謝の気持ちを少しは伝えられるのかな」と言えば、今井は「くうちゃん(柳川)とワンツーを取れて、メダルをコーチに渡すことができて良かったです」と、田中コーチに2つのメダルを届けられることを喜び、健闘をたたえ合った。

来夏の北海道インターハイでももちろんワンツーを狙うが、2人とも自身が勝つことを第一の目標に掲げる。「必ずインターハイで優勝します。4m20を目標にしたい」(柳川)、「4mを当たり前に跳ぶようになりたい。同学年のライバルたちに勝つ気持ちでやっていきます」(今井)と、互いに高め合いながら記録を伸ばしていくつもりだ。

文/石井安里 写真/中野英聡

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