ボディブローで逆転KO勝ち──。24日、愛知県名古屋市の武田テバオーシャンアリーナで行われたWBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦は、1位の指名挑戦者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)の“引きのボクシング”にポイントを奪われたチャンピオン田中恒成(畑中)が、3回に1度、7回に3度の計4度のダウンを奪い、7回2分49秒TKO勝ち。同王座の2度目の防衛に成功した。
上写真=7回に3度ダウンを奪った田中。ゴンサレスは立ち上がったが、レフェリーが試合を止めた
6回までのオフィシャルのスコアは55対57、54対58、56対56と0-2でチャレンジャーが優勢。だが、決して打たれて田中恒成がポイントを失っていったわけではない。
「パランポン戦のときのような感じではなかった」。ライトフライ級王者時代に初回にダウンを奪われて、両目眼窩底骨折の憂き目に遭った試合を引き合いに出して田中は振り返ったが、本人の言うとおり、そういう危険な雰囲気は感じなかった。
小柄なサウスポーのゴンサレスは、元トップアマチュアらしく、徹底的に引いて引いて田中を誘い込み、左ストレート、右フック、時折右アッパーカットを合わせる作戦。田中が距離をキープすれば、いきなりの左ストレートを打ち込んでくる。序盤こそいきなりの左を合わされた田中だったが、徐々にこれを見切ってガードやパーリングで寸断したのだが、“遠い距離”のゴンサレスを捉えようと引き込まれ、右ストレートを強く深く打ってはかわされることを繰り返してしまった。
「内容的には全然ダメでした」(田中)
「スピードで勝つ」、「打たせず打つ」。それらのテーマはおおよそクリアできたと思うが、もっとも表現したかった「自由な動き」を実現できなかった。その点が、本人にとっても大いに不本意だったのだろう。
距離を縮め、ボディを攻める田中。しかし、コンビネーションの回転ではゴンサレスが上回った。田中は2発で終わってしまうシーンがほとんどだった
捉えられずとも堪え、自分の間合いに引き寄せる。左ジャブでコントロールしつつ、右を打ち込む。そこを実現できず、最終手段としての“潰すボクシング”に専心してしまった。3回に右ストレートを上下に散らし始めたことで流れはゆるやかに変わり、右ストレートのボディショットでダウンを奪う。4回には右を外されて左を合わされ、「顔面を打たれたわけではなかった」(田中)が、バランスを崩して尻もちを着いてしまった。
その後も、打っては大きくステップバックしてサークリングするゴンサレスを、真っすぐ入りながら右ストレートで追いかける。そして届かない……を繰り返したが、右ボディストレートに加えて得意の左ボディブローも打ち始めて様相が変わる。
7回、右からの左ボディフックで2度倒した田中は、右アッパーのボディ3連打で3度目のダウンを奪い、試合を決めた。
「体が動かない。リズムに乗り切れない」と反省の弁を述べた田中。「コンディションづくりがうまくいかなかった」というのは減量のせいなのか。左ジャブが極端に少なかったのは、負傷のせいなのかそれとも、右強打を打ち込みたい気持ちが先走ってのことなのか。最終的には、地力の差、総合力の差があり事なきを得たが、田中恒成が持つボクシングの“深遠”を知る者にとっては、本人同様、やはり引っかかるものがあった。
田中の戦績は14戦14勝(8KO)。ゴンサレスの戦績は27戦22勝(13KO)3敗1分。
7月に亡くなった祖父の遺影を手にする田中。顔に腫れはほとんどなく、打たせないボクシングは実現できたが、自由奔放に打ちまくることもできなかった
文_本間 暁
写真_福地和男
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