close

2023-03-02

紫雷美央コーチと出会って意識改革「試合をやりたくないがやりたいに変わった」ジュリア物語2【週刊プロレス】

2018年4・21アイス道場での藤本つかさ戦

現在ワールド・オブ・スターダム王者として女子プロレス界の頂点に君臨しているスターダムのジュリア。2017年10月29日、プロレスラーとしてデビューし、キャリア5年と少し。その時間はあまりに濃密であり、波乱万丈という言葉でも足りないほどさまざまな経験を積んできた。そんなジュリアのデビューから丸5年間の濃密過ぎる日々の記憶をB.B.MOOK「ジュリアお騒がせ症候群」のインタビューから抜粋してお届けしていく。第2回はデビュー戦を終えて、日替わりで外部コーチの男子レスラーにプロレスの基礎を教わる日々からスタート。


――基礎はしっかり叩き込まれた。

ジュリア でも練習は一生懸命やりながら、試合でうまく自分を表現できなくて。デビューする前はできると思ってたんです。ファンのひとも簡単に言うじゃないですか。私もそうでした。いざやってみると自分がダメだと思っていたレスラーがメッチャ強く見える。プロレスラーってすごいって身に染みてわかったというか。すべてのレスラーにリスペクトを感じました。見てると簡単にできそうな気がしてたんですけど(笑)。

――見るのとやるのは大違い?


ジュリア 本当思い通りにできなくて。思い出すのは先輩に怒られても我慢して、そのあと走ってトイレで泣いて。道場前の線路に電車が通るとき、ワーって大声で叫んだりしてストレス発散してました(笑)。そのときは試合したくなかったんです。次の試合が来るのがイヤで。でも紫雷美央がコーチになってからすべてが変わりましたね。彼女と出会ってなかったらこうはなってなかったです。自分がなにをしたいのか、なにを見せたいのかを明確にしてくれたひとが紫雷美央だったので。

――紫雷コーチはどんなところが優れてました?

ジュリア 自分の試合をよく見てくれるんです。本当細かく見ていて、ここをこうしたほうがいいとか。上向いた方がいい、受け身はもっと手広げたほうがいい、間の取り方は何秒とかメチクチャ細かく教えてくれた。自分になにがたりなくて、なにができないって明確に教えてくれました。それでやりたいことがわかってくると「早く試合したい」に変わるんです。試合で試したい。あっ、試合ってそういう意味、「試し合い」と書いて試合なんだ、なるほどなって思った記憶があります。

――すごい意識改革ですね。

ジュリア 真逆になりましたから。(試合を)やりたくないがやりたいに変わった。それまでは先輩に試合後話聞くのもイヤだったんです。「また怒られる」って。でもそれが「聞きたい」になるんです。ダメなところ全部教えて、次の試合はこうしようって。そこから成長スピードが速まったと思います。すごい意識が変わりましたね。そのあと先輩たちとたくさんシングルマッチがあって。どんどんプロレスが好きになりました。闘うことが。

(3へ続く)

タグ:

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事