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2023-03-13

【相撲編集部が選ぶ春場所2日目の一番】正代復活! 「大関相撲」で関脇を連破

左で掬って一気に霧馬山の体を運び、最後は押し倒した正代。久びさに本来の相撲が戻ってきた

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正代(押し倒し)霧馬山

これはもう、「元大関」ではなく、「大関の相撲」だ。

強い正代が戻ってきた。大関から落ちた先場所は、10勝以上すれば復帰という権利を生かせず6勝9敗、今場所は平幕(西前頭筆頭)まで番付を下げた正代が、初日の豊昇龍に続き、この日も霧馬山と関脇を連破した。

しかも相撲内容が力強い。昨日は前ミツを引かれたのをものともせず、半ばノド輪のような右の突きで相手を一気に土俵外へ押し出し。そしてこの日も、差し手争いから左が入った瞬間、グイッと相手を掬い上げるように浮かせて、これも一直線に相手を運び、そのまま押し倒した。

これで、なんと昨年1月場所以来7場所ぶりの連勝スタート。「ちょっと遠のいていたんで。いい流れが来てるんじゃないかなと思います」と正代。ファンの中には、「これを先場所やってくれていれば……」という声もあるが、どうやらこれまでは昨年末に痛めた右足親指の状態が万全でなく、これが治ってきたというのが好調の理由の一つのようだ。

先場所までは、ただその場で立ち上がっただけ、のような立ち合いも多く、まず土俵際まで押し込まれて、そこから相撲がスタートするような内容も多かったが、今場所は全くそんな感じはない。正代はもともと胸を出すような立ち合いをするタイプで、立ち合いもドン、と大きく踏み込む力士ではないが、今場所は2日とも左足を半歩ほど前に踏み込んでおり、立ち合い先手を取ってこそいないが、先手を取られることも防いでいる。もちろん、もっとガツッと踏み込めればそれに越したことはないのだろうが、その後の左を差したときの強さと、持ち前の受けの強さを加味すれば、正代にとって、とりあえずはこれぐらいの立ち合いができれば十分、という見方もできる。

「まあここ何場所かの中では(体が)動いているのかなと思います」と本人も手応えを感じている様子。明日は、この日、一瞬足が揃ったようになりながらも、冷静に立て直して玉鷲を押し出し、綱取りへスタートの白星を挙げた貴景勝との対戦。まだ3日目だが、今場所の展開を占う注目の取組となりそうだ。

この日は、昨日このコラムで名前を挙げた力士のうち、霧馬山は敗れたが、若元春、琴ノ若の両小結、さらに平幕下位の髙安、錦富士、金峰山が連勝、「暴れそうな予感」が本格化してきた。

一方、十両では、落合が同じく新十両の玉正鳳の思い切った引きについて行けず、「プロ初黒星」。内容的には攻めているので、まあこれは「負けて勉強」といったところだろうか。まだまだ明日以降へ、期待は十分持てるはずだ。

文=藤本泰祐

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