上写真=下半身と骨盤を活かした石澤の右は、破壊力十分! 技巧派・井上を徐々に痛めつけた
写真_小倉元司
オールKO勝利中の強打者・石澤開(M.T)対コンビネーションの業師・井上夕雅(尼崎亀谷)の一戦は、石澤の6回46秒TKO勝利──。10日、後楽園ホールで行われた日本ユース・ミニマム級王座決定戦8回戦は、期待を大きく上回る接戦の末、石澤がデビュー以来5連続KO勝利でベルトを巻いた。
「コーナーポストに上がろうかと一瞬思いましたが、やめました」。
ストップの瞬間、常にポーカーフェイスを装っている石澤が喜びを爆発させ、満面の笑顔と、渾身のガッツポーズで喜びを露わにした。が、ボクサーにとって、会場への最大のアピールはすんでのところで思いとどまった。「相手に失礼だと思ったから」──。
それでも、感情を爆発させたのは、苦しい試合を乗り越え、最高の結果を残したからだ。昨年度全日本ミニマム級新人王の井上は、石澤より2歳下の19歳。8戦7勝(1KO)1分と、石澤よりも戦歴を重ね、しかも、技術的には上回っている選手だった。
井上のコンビネーションは、「これが19歳か?」と思わせるほど、実に洗練されていた。常に“対角”を意識し、攻めていく連打は、日本人離れしているといっても大げさではないほど。特に右でサイドボディを叩いた後に、左アッパーカットを左下から右斜め上に突き上げるコンビには驚かされた。
4ラウンド、石澤は「右を左目にもらって効いた」という。この回は、井上が完全に支配した。しかし、「気を入れ直した」石澤は、5ラウンドのはじめまでダメージを引きずっていたものの、一気に距離を縮めて右クロスをねじ込んでいく。「ロマゴンとパッキャオが好き」という21歳は、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)ばりの骨盤を利かせた強打の持ち主。右をトリプルで放り込み、さらに右。これが効いた井上が、ガードを落とすと、石澤はさらに右をダブルでぶち込んだ。
井上は、ロープ際に崩れ落ち、レフェリーがすかさず試合を止めた。
チャンスと見るや一気に詰めるその姿は、野獣そのものだった 写真_小倉元司
武相高校から日本体育大。アマチュアキャリアは42戦を数えるが、タイトルとは無縁だった。しかも、7月には冨田大樹(堺東ミツキ)とこの日本ユース王座を争うはずだったが、自らの負傷で試合を流してしまった。そして、再セットされたのが井上戦だった。
ジムには2歳年下だが、石澤の先をいく男がいる。先ごろ、日本フライ級挑戦者決定戦に勝ち、来年のチャンピオンカーニバルに出場を決めた中谷潤人だ。この中谷は、日本ユース王座もとうに獲得している。いい同僚であり、最大のライバルでもある。
「潤人のユースのベルト、みんなは祝勝会とかで触ったりしていたけれど、僕は絶対に触りませんでした。自分のベルトを獲るまでは、ベルトに触らないって誓ってたので。それって変わってますか?」
ようやく自らのベルトを手に入れることができ、笑顔がこぼれる 写真_本間 暁
断じてそんなことはない。むしろ、ボクサーにとって、とても大事な“意地”だ。“乾き”と言い換えてもいい。その意地やハングリーさが、井上の並外れたコンビネーションにも屈せず、ダメージをも吹き飛ばし、豪快に決着をつける原動力となったはずだから。
中谷潤人と石澤開。これからも、互いに協力し、切磋琢磨し、ときにはライバル心をむき出しにして、階段を駆け上がっていくことだろう。そして、この日、敗れた井上も。
勝者にも敗者にも、ギラキラと燃え盛る闘争心があり、まだまだキラキラと輝けるミライがある。
文_本間 暁
中谷の祝福を受け、得意満面の石澤。“ジュント”と“カイ”。この2人の今後のデッドヒートも楽しみだ
写真_本間 暁
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