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2023-06-04

新日本でメインでの凱旋帰国第1号は意外な選手! セミ前、TV生中継放送開始直後が定番だった凱旋帰国第1戦【週刊プロレス】

1976年2月20日、東京・大田区体育館に凱旋した木戸修。右はアントニオ猪木

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新日本プロレス6・4大阪城ホール「DOMINION」で辻陽太が凱旋帰国。いきなりメインに登場し、SANADAの持つIWGP世界ヘビー級王座に挑戦する。海外遠征から帰国して、すぐに至宝に挑戦するのは“レインメーカーショック”(2012年2・12大阪府立)を起こしたオカダ・カズチカ以来として話題になっているが、オカダは同年の1・4東京ドームで凱旋、その後、シリーズに参戦しており、ベルトを奪ったのが凱旋帰国12戦目。帰国第1戦での王座奪取となれば馳浩(IWGPジュニアヘビー級)、武藤敬司(IWGPタッグ)に並ぶ快挙となる。「DOMINION」での王座移動率が3分の2であることを考えると、その可能性は高い。今回は1970年代の主な凱旋帰国マッチを振り返ってみる。

海外武者修行からの凱旋第1号となったのは木戸修だ。1975年6月、藤波辰巳(当時)とともに西ドイツ遠征に旅立つ。半年間、各トーナメントを転戦したのち米フロリダ州タンパに移り、カール・ゴッチ道場に入門。そこで帰国命令が出て、藤波より一足早く、アントニオ猪木のパートナーとして翌1976年2月20日、東京・大田区体育館に凱旋。TV生中継のメインのリングに立った。

ちょうど猪木がウイリエム・ルスカと初の異種格闘技戦をおこなった次のシリーズ開幕戦。タッグ屋としてロス地区を荒らしていたブラック・ゴールドマン&エル・ゴリアス相手に2-0のストレート勝ちを収めたものの、2本とも反則による決着とあって、さほど印象は残せず。実力者でありながらも地味なタイプとあって、猪木のパートナーとして期待に応えられたとは言い難い。それもあってか、凱旋シリーズで猪木とタッグを組んだのはその後2回のみ。いずれもノーTVだった。

翌77年3月4日には期待のルーキー、長州力が約2年半の海外武者修行を終えて凱旋(当時はまだ吉田光雄)。しかしメインではなく、セミ前でのシングルマッチで快勝(対戦相手はロベルト・ソト)。シリーズ開幕戦TV生中継の放送開始直後でニュースター誕生の期待を抱かせた。

なお、舞台は群馬・高崎市体育館。1年後、藤波がWWWF世界ジュニアヘビー級(当時)王者として凱旋第1戦をおこなったのと同じ会場だったことに因縁を感じる。その藤波も凱旋マッチ(78年3月3日、vsマスクド・カナディアン)はTV生中継のセミ前、放送開始直後の登場だった。

のちにメインイベンターとなった選手の中で印象が薄かったのが木村健吾(当時)。プエルトリコ、メキシコ、ロス地区と行く先々でタイトルを獲得して凱旋したものの、帰国第1戦が第2回「MSGシリーズ」最終戦(79年6月7日、東京・蔵前国技館)。全8試合中、5試合目の出場でTV放映されなかった。

3週間のオフを経て新シリーズが開幕。開幕戦(同年6月29日、大宮スケートセンター)でもTV登場はなく、事実上の凱旋マッチはその翌週のTVマッチ(同年7月6日、四日市市体育館)。ストロング小林と組み、坂口征二&長州力の保持する北米タッグに挑戦したものの敗退。長州が前年のプレ日本選手権公式戦(78年11月17日、東京・後楽園ホール)でのシングル初対決に続いて、3本目をストロング小林から奪い、猪木、坂口に次ぐ新日本ヘビー級ナンバー3の座を確固たるものにする“出世試合”となった。

橋爪哲也

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新日本プロレス旗揚げ50周年記念シリーズ③70年代編 不滅の闘魂伝説(B.B.MOOK1583) | 週刊プロレス powered by BASE

70年代プロレスとは何か?創立50周年を迎えた新日本プロレスの原点がここにある。1972年3月6日、東京・大田区体育館で旗揚げ。当初はテレビ放映も大物外国人のブッキングルートもなく、苦戦を強いられた。だが、翌73年に坂口征二が合流し、NETテレビ(現テレビ朝日)が中継をスタート。そこからは右肩上がりの成長を遂げていった。アントニオ猪木が前面に立って闘いを繰り広げた70年代の新日本を大特集する。【CONTENTS】COVER STORY◎アントニオ猪木「ジャイアント馬場を超えるために」 藤波辰爾インタビュー「明日を夢見て」CLOSE-UP◎カール・ゴッチ「旗揚げ1年目の大黒柱」 SPECIAL REPORT◎坂口征二と新日本の夜明け(文・流智美) アントニオ猪木名勝負セレクション1972-1979(vsカール・ゴッチ&ルー・テーズ、vsジョニー・パワーズ、vsストロング・小林、vs坂口征二ほか) 夢とロマンの異種格闘技戦PLAY BACK 1976-1980 SPECIAL REPORT◎ドラゴンブームとは何か? 新日本プロレス70'sクロニクル 70's外国人列伝~タイガー・ジェット・シン、アンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、ボブ・バックランドほか 70年代新日本 忘れじのシリーズ~1975年のワールドリーグ戦、1979年の闘魂シリーズ 船橋慶一氏インタビュー「NETテレビ中継開始の舞台裏」 1972-1979新日本プロレス年表【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、通常2~4日でのお届けとなります。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

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