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2023-05-31

“野人”中西学からの王座奪回で“棚橋弘至絶対エース路線”の幕が開いた大阪「DOMINION」【週刊プロレス】

中西学に張り手を打ち込んだ棚橋弘至

新日本プロレスは6月4日、大阪城ホールで「DOMINION」を開催する。今年で15回目を迎える同大会だが、過去、メインでの王座移動劇は3分の2を占める(王座決定戦が1度)。会場も大阪府立体育会館から大阪城ホールへスケールアップ。今では上半期の集大成ともいうべき大会となった「DOMINION」を振り返ってみる。

1980年代、多少前後することはあったものの、新日本プロレスは2月、5月、7月、9月、12月と年5回、大阪でビッグマッチを開催してきた。「G1クライマックス」が両国国技館以外の会場でも開催されるようになってからそのサイクルが変更され、現在は2月、6月、8月(G1)、11月となっている。

初夏の大阪ビッグマッチに「DOMINION」の大会名が冠されたのは2009年から。同年1・4東京ドームで、全日本プロレス・武藤敬司に流出していたIWGPヘビー級王座を棚橋弘至が奪回に成功。そのまますんなり“棚橋エース路線”が推し進められるかと思われたが、それに待ったをかけたのは意外な存在だった。

第三世代の中では一番手で「G1」優勝を果たし、エース候補筆頭と目された中西学。しかし至宝であるIWGPヘビー級王座には何度挑戦しても手が届かなかった。全日本に流出していた際も武藤に挑戦したが及ばず。逆に王者からは「なんであいつがこれまでIWGPを取ってないんだ?」と不思議がられるほどの強さを見せつけてはいたのだが…。

そんな中西だったが5・6後楽園で棚橋を撃破。まさかの大番狂わせ。それは解説を務めていた山本小鉄さんが涙を流すほど感動的な新王者誕生劇。そしてリターンマッチの場となったのが「DOMINION」(6・20府立)の舞台だった。

試合は中西の怪力に苦しめられた棚橋が、野人ハンマー、トップロープからの雪崩式ブレーンバスター、プランチャ、ミサイルキック、アルゼンチン・バックブリーカー、ヘラクレスカッター、大☆中西ジャーマンといった“野人フルコース”を浴びながらもカウント3を許さず、特大☆中西ジャーマンをロープを蹴って仕掛けた側にもダメージを与えた棚橋が逆転勝利。30分を超える忍耐の闘いで、王座奪回に成功した。

それ以上に、序盤は中西への声援が多かったが、時間の経過とともに劣勢が続く棚橋に声援が傾いていった。それまで大阪では批判的な目が多かった棚橋にすれば、ようやく万人の新日本ファンに認められた一戦となった。棚橋自身もそれを肌で感じ、今でも忘れられない一戦と語る。その意味でも、「DOMINION」こそ棚橋が本格的に“絶対エース路線”の幕を開いた大会といっていいだろう。

橋爪哲也

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