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2023-08-09

原点回帰の第4回「G1 CLIMAX」闘魂三銃士に終止符を打った蝶野正洋3度目の優勝【週刊プロレス】

佐々木健介をSTFで絞る蝶野正洋

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1994年、4度目のG1クライマックスは両国5連戦で開催。各ブロック5選手による2ブロック制で争われ、蝶野正洋がパワー・ウォリアー(佐々木健介)を下して3度目の優勝。このあたりから、G1優勝者を本格的に“夏男”と称するようになった。この時点で橋本真也がIWGPヘビー級王者、蝶野が3度のG1優勝と実績を積み重ねていたのに対して、武藤敬司は蝶野、馳浩とのコンビでIWGPタッグ王座は獲得していたもののシングルでは無冠。グレート・ムタの人気が爆発し、ビッグマッチではムタのカードばかり組まれるジレンマに陥っていた。海外武者修行を終えて3人がそろった際には“御三家”として売り出された闘魂三銃士だったが、蝶野の武闘派宣言で正式に解体。三銃士によるエース争いの時代に突入していった。

第4回を迎えた1994年のG1クライマックスは、アキレス腱断裂から復帰した長州力の全敗を喫した第1回以来のエントリー。藤波辰爾のほか、藤原喜明、木戸修、谷津嘉章のベテランに加え、闘魂三銃士、馳浩、パワー・ウォリアー(佐々木健介)、反選手会同盟を代表して越中詩郎、三銃士の次世代から飯塚孝之(のちの高史)と、日本人選手のみ12人で争われた。

世代闘争の色合いの濃い大会で、馳、パワーを含めた三銃士世代と長州、藤波はシ烈な星争いを展開。橋本は馳に、武藤は藤原、蝶野に敗れた失点が響いて優勝決定戦進出を逃した。

開幕戦で長州に敗れたものの、その後4連勝で勝ち上がった蝶野がAブロックを突破。Bブロックは橋本と引き分けた得点1がものをいって、パワーが頭一つ抜け出して決勝のリングに上がった。

最終日は公式リーグ戦と優勝決定戦の1日2試合をこなさなければならないルール。公式戦が第2試合だったパワーが有利とみられていたが、第7試合に出場して、中1試合のインターバルで決勝戦に臨んだ蝶野が3度目の優勝を飾り、ますます三銃士の時代を確固たるものにした。

第1回で優勝決定戦後のリングを占拠して時代の到来を印象づけた三銃士だったが、この前年あたりから3人の中では一足先にIWGPヘビー級王座を戴冠していた橋本真也が、フライング気味に解散を示唆する発言をしていた。それは3人一組ではなく一本立ち、三銃士でのエース争いを意味する言葉だったが、G1を制した蝶野の武闘派宣言、ヒール転向によって本格的に突入。その第1弾として次期「G1クライマックス・スペシャル」で橋本の保持するIWGPヘビー級王座への挑戦が決定。そしてこの年から慣例的に、G1優勝者にIWGPヘビー級王座挑戦権が与えられるようになった。

王座奪取こそならなかった蝶野だったが、たった1人の反逆、徹底的に攻撃型のファイトスタイルで次期シリーズを闘い抜いた。結果的に同年7月3日、青森・津軽大会(森田村円形劇場)で馳浩を加えたカルテットが、三銃士3人が最後に組んだ試合となった(対戦相手は越中詩郎&ザ・グレート・カブキ&木村健悟&小林邦昭組。純粋な闘魂三銃士最後のトリオは同年3月28日、岐阜・セラトピア土岐。対戦相手はスコット・ノートン&マイク・イーノス&ブラッド・アームストロング組)。そして闘魂三銃士は、それぞれの道を歩み始めた。
 
橋爪哲也

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