日本大学は、8月10日、アメリカンフットボール部の無期限活動停止処分を解除した。8月5日に、3年生の部員が覚醒剤取締法違反・大麻取締法違反の疑いで警視庁に逮捕されたことで下されていた処分は5日間で終わり、アメフト部は8月11日から練習を再開した。一方、日大が加盟している関東学生アメリカンフットボール連盟(KCFA、廣田慶理事長)は、同じ8月10日に、オンラインで臨時理事会を開き、日大アメフト部を、「当面の間の出場資格の停止」とすることを決めた。
KCFAによると、9月2日の日大・法大戦は中止となり、日大が残りのリーグ戦に参加できたとしても、「参考試合」となるという。このため、日大は今季の関東大学1部リーグTOP8優勝や甲子園ボウル出場の可能性がなくなった。
日大「部員1名による個人犯罪」
日大は、無期限活動停止処分を5日間で解除した理由について
「この度の問題は部員1名による薬物単純所持という個人犯罪」
「個人の問題を部全体に連帯責任として負わせることは、競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰すること」
「学生の成長を第一に願う教育機関として最善の措置ではないと判断した」
としている。

KCFA「十分な事実の解明なさず」「連帯責任以前の問題」
日大が在籍している関東大学1部リーグTOP8は、9月2日に開幕するが、日大はこの日に法政大学と対戦する予定だった。日大は、リーグ戦に参加したいという意思をKCFAに伝え、中村敏英監督が説明をしたが、KCFAは、現状では試合に出場させることはできないと判断した。今後、規律委員会が調査を進め、最終的に理事会で処分が追加される可能性があるという。
KCFAは、出場資格停止の理由について
①日大アメフト部側から、逮捕された部員以外の部関係者全員が違法薬物に潔白であると保証できない旨が示されたこと
②逮捕された部員以外の部の関係者に違法薬物を使用した者が存在している疑いが払拭できないこと
③再発防止策の提示ならびにその実施がなされていないこと
④部関係者(指導者、学生を含む)の責任の所在が明らかでないこと
の4点を挙げている。
KCFAは「これまで日大アメフト部が十分な事実の解明をなさず、かつ、同部が責任の所在を明確化していないため、現段階では同部全体を処分せざるを得ず、これは連帯責任以前の問題であると考えます」としている。
日大の今季は「参考試合」勝敗にはカウントされず 9月2日の日大・法大戦は中止となり、以降の試合については、各試合日の1か月前を期限とし、上記4点について日大アメフト部がクリアしたとKCFAが認めた場合、出場を許可されるという。
KCFAによると、リーグ戦に途中から出場する場合、日大アメフト部の試合は「参考試合」となる。対戦相手も含めて勝敗はカウントしない。このため、日大は、今季のTOP8優勝や甲子園ボウル出場の可能性が消滅した。

