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2019-08-20

【チアリーダーカード Special Issue(後編)】ファイターズガールの「クールビューティー」がリーダーになった日

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毎年恒例のチアリーダーカード「BBMプロ野球チアリーダーカード2019 DANCING HEROINE」が、前編の「華」、後編の「舞」とも大好評発売中だ。これを記念して今回お届けするのが、彼女たちにまつわる小さな物語の後編。

小林羽蘭さんの決意

 チアリーダーカードはおかげさまで9年目を迎えて、その人気はとどまることを知りません。今年も9チーム、総勢178人もの皆さんにご登場いただきました。

 すでにフルコンプリートを達成した方も多いと思いますが、まだまだ楽しんでいただきたくて、彼女たちにまつわるお話をお届けしたいと思います。

 前編に続く後編の主人公も、北海道日本ハムファイターズ「ファイターズガール」の二人。ダブルリーダーとして仲間を引っ張る畠山茉央さん、そして小林羽蘭さんの思いを綴る後編は、小林さんの決意。(文中敬称略)

19BBMチア/華22 小林羽蘭

憧れから目標へ

 畠山茉央(はたけやま・まお)は小林羽蘭(こばやし・うらん)のことを「みんなのことを客観的に見ることができて、みんなの心を和らげてくれるタイプ」と評した。確かにそのとおりだ。小林を目の前にすると、人を安心させるようなオーラを漂わせているのが伝わってくる。

「茉央とは見た目も中身も対照的ですよね(笑)。私、茉央のことを尊敬しているんです」

「茉央はファイターズガールのお仕事をスキなく全部こなします。でも、プライベートのときはボケッとしているんですよ。ついツッコミを入れたくなる(笑)。一緒に遊んだら、面白いエピソードは二つも三つも出てきますよ!」

「私といるときにそういう姿を見せてくれると、リラックスしているんだな、って感じます。それを見て、私が安心するというか」

 いわば、「姉御肌」なのだろう。少し会話を交わしただけでも、畠山に限らず、ファイターズガールのみんなが小林を頼りにしている理由が分かる気がする。

 そんな小林も、ファイターズガールに強い憧れを抱いて少女時代を過ごしてきた。

「父は自分でプレーしていたこともあって野球が大好きな人で、ファイターズが北海道に移転してきた年に家族で試合を見に行ったんです。そのとき、初めてファイターズガールを見て……かわいい衣装を着てポンポンを持って、笑顔いっぱいでした」

「それから何度も試合に連れて行ってもらいました。親は野球を見るのが目的ですけど、私はファイターズガールを見に行く感覚でした。とにかく憧れの存在でした」

 その眼差しはきっと輝いていたのだろう。お母様が「チアダンスを習ってみる?」と誘ってくれた。ファイターズダンスアカデミーなるものがあると探してきてくれたのだった。そこから、ファイターズガールは憧れとしてだけではなく、目標として意識するようになった。

 そして、2015年にオーディションに合格して、畠山と一緒にファイターズガールの一員になるのだった。

小林羽蘭さんの過去のカード。上写真がおもて面で下写真がうら面。
それぞれ上段左から2015年、2016年、2017年、2018年のもの。
下段は2017年のファイターズエンタメカードセットのもの

恥ずかしい思い出

 畠山は、小林と一緒になって甘かった1年目の自分たちを殴ってやりたい、と冗談交じりに話していた。小林にとって1年目はどんな風景だったのだろう。

「憧れだった人たち、目標だった人たちの隣に、自分がなんでいるんだろう、という不思議な感覚でした。雲の上の存在の人たちと同じ空間にいることが考えられませんでした。いつも固まっていた気がします」

「でも、自分がなりたかったファイターズガールに本当になることができて、うれしい気持ちしかなかったですね。何もかも楽しかったんです。きついレッスンですら楽しかった。キラキラしていたと思います」

 でも…、と言葉をつなぐ。

「自分では、ファイターズガールで頑張ってます! という気持ちだったんだと思いますけど、いま当時の映像を見ると、これでよくお客さんの前に立てていたなってびっくりしています」

 あの頃の自分を殴ってやりたい、という気持ちは小林にもあるのだ。

 だからこそ、なのだろう。その恥ずかしい思い出はリーダーになったいまこそ役に立つのだと考えられるようになった。

「1年目の気持ち、2年目の、3年目の、4年目の気持ちは、全部覚えています。もちろん、心境というものは変わっていきますけど、その時々で考えていた自分の気持ちを生かして、それぞれの年ごとの後輩たちを気遣うことができると思うんです。初心は忘れないようにしたいし、〈その時〉の自分を思い出して対応していきたいと思っています」

「まさかここまで本当にできるとは…もう5年もたったのか」「先輩たちのようにずっと続けるんだ」「リーダーになるなんて思わなかったけれど、リーダーの名前をもらって引き締まった」…そんなあふれる気持ちが、いまの小林の心を満たしている。そこからにじみ出るのは、シンプルな感情だ。

「やらなきゃな」

 小林羽蘭と畠山茉央。見た目も性格も違うダブルリーダー。ファイターズガール2019を引っ張る、たぎるようなリーダーシップ。

 それでもやっぱり小林はクールだ。いつも二人で手を携えて、仲良く一緒に、という馴れ馴れしさは必要としていない。

「仲がいいから、とか、ダブルリーダーだから、という理由でいつも茉央と私で一緒に行動する、というのはちょっと違うよね、といつも二人で話しています。あれ、そういえば会うの久々だよね〜、なんていうことも実はよくあるんですよ。それはリーダーになったからではなくて、1年目からそうでした。不思議とベタベタとくっついているわけじゃないんです。意識的じゃないのに。でも、だから合う」

 シーズンもいよいよ佳境に入っていく。ファイターズガールは今日もまた、戦う選手たちを後押ししていくだろう。その先頭に、自慢のダブルリーダーがいる。

(おわり)

前編はこちら

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