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2018-10-25

「前立腺がん」の可能性がわかるPSA検査

※写真上=PSA検査は前立腺がんをスクリーニングする検査です
写真◎PIXTA

50歳を過ぎたら前立腺がんに要注意!

前立腺がんは男性特有のがんです。ここ30年で急激に増えています。
男性のがんの罹患数では、いまや胃がん・肺がん・大腸がんと同じ程度、女性の乳がんに匹敵するほどまでに増えています。
著名人では、天皇陛下、タレントの間寛平さん、森喜朗元首相、歌手の西郷輝彦さん、俳優の高倉健さんなどが前立腺がんを公表しています。

前立腺がんのロボット手術(ダヴィンチ手術)で、日本ではトップクラスの手術数を誇る、川崎医科大学総合医療センター泌尿器科副部長・上原慎也医師によると、一生のうちで前立腺がんにかかる割合(生存罹患率)は9%、つまり約10人に1人が前立腺がんを経験することになるそうです(国立がんセンターのがん情報サービスより)。

一般にがんは、年齢が上がるほど発生率が高まるのですが、前立腺がんはなかでも特にその傾向が高く、50歳を過ぎる頃からかかる人が増え始め、患者さんの2/3を70歳以上が占めています。
80歳を超えてから見つかる人も少なくありません。

PSAの血液検査で前立腺がんを早期発見

日本で前立腺がんが増えているのは、なぜでしょう。
上原医師によると、いくつかの要因がありますが、1つには、PSA検査が広く行われるようになってきたことが関係しているそうです。
PSAは、前立腺の細胞中にたくさん含まれている酵素です。精液中に分泌されますが、微量が血液中に取り込まれます。
そこで、PSAの血液検査が、前立腺がんのスクリーニング(前立腺がんの可能性がある人を見つけるための検査)に用いられています。

PSAの値がある一定の値よりも高いと、前立腺がんの可能性が疑われますが、PSAが高いからといって、前立腺がんだという訳ではありません。
PSA値は、前立腺がんで高くなりますが、前立腺肥大症、前立腺炎などでも高くなります。ちなみに前立腺肥大症も、前立腺がんと同様に、高齢にともなって増える病気であり、尿のキレが悪い、残尿感がある、我慢できずに尿を漏らしてしまうなど、症状がよく似ていますが、前立腺がんとは無関係です。
PSA値が高い場合には、前立腺に異常が生じているかもしれない(異常がないのかもしれませんが)ので、確定診断のために、PSAの再検査、細胞をとって調べる生検など、詳しい検査を行うことになります。

検診では自費でもぜひPSA検査を追加を

PSAの基準値(正常値)は次の通りです。
・全年齢  4.0ng/ml以下(年齢別に基準値を設定する場合がある)
・50~64歳 3.0ng/ml以下
・65~69歳 3.5ng/ml以下
・70歳以上 4.0ng/ml以下

PAS値で前立腺がんと診断される可能性ですが、
・10ng/ml以下の場合  25~40%
・10~20ng/mlの場合  50~70%
・20ng/ml以上の場合  80%以上

上原医師は、「前立腺がんは進行がゆっくりなことが多く、早期に発見すれば、ほかに比べて治りやすいがんです。50歳を過ぎたら、検診のなどの機会を設けるようにしたいものです」といいます。

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