close

2024-10-07

【インタビュー】人も、店も、カードも、好きだから

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • line

株式会社ミント30周年記念
新家達雄社長に聞くスポーツカードの未来

日本最大手のスポーツカードチェーンを展開する株式会社ミントが今年、30周年を迎えた。活況を呈しているカード業界を牽引する日々の中で、若き社長が未来へと目指すものを聞いた。


始まりはマイケル・ジョーダン


BBM まずは30周年、本当におめでとうございます。

新家達雄社長 ありがとうございます。多くの皆さんのおかげで大きな節目を迎えることができました。

BBM スポーツカード業界のトップランナーであるミントさんで、43歳で社長に就任したのが2021年。若き社長の未来へ向けた視点をうかがいますが、そのためにまずは「始まり」から教えてください。社長ご自身とスポーツカードの出会いは?


新家社長 それを今日、持ってきました。

BBM おお、マイケル・ジョーダン!

新家社長 高校1年のときに手に入れた最初の1枚です。その前の年にバルセロナ・オリンピックで見たバスケットボールに夢中になって、NBAを見るようになって、一時期離れていたバスケットボールのプレーも高校で再開しました。当時、部活動の仲間と帰りに大阪ミナミのアメリカ村でTシャツを物色するのがブームになっていて、そんなお店の一つでカードが売っていたんです。300円で1パック。その中の1枚がこのジョーダンでした。

BBM 始まりの1枚、お気に入りのポイントはどこですか。

新家社長 この写真のかっこよさですよね。デザインもすごくシンプルですけど、もう単純にかっこいいじゃないですか。これ以降、みんなはTシャツを見るのに、僕はカードを探すという日々で。

BBM そんな「新家少年」がのちに、日本最大のスポーツカードチェーンで「新家社長」になるんですから、ものすごいストーリーですよね。

新家社長 のちにワールドスポーツプラザでアルバイトして、そこから社員にしていただいて、大きなところではベースボール・マガジン社、アッパーデックジャパンと渡り歩いて、ミントに移ったのが2010年でした。

メモラビリア商品をはじめとしたスポーツ関連の商品を売ったり、メーカーで働いたりというキャリアの中で、いろいろな視点からスポーツアイテムを取り扱い、眺めてきました。最初に手にしたカードがアッパーデックのものだったという縁も感じて、アッパーデックジャパンが撤退したときに一通り経験した気がして、また別の道に進もうと思っていたんですよ。そのときに、ミントの方に「このキャリアを生かさないのは良くないことだ」とお声がけいただきました。

BBM ミントに入ってからはどんな経験を積んでいらしたのですか。

新家社長 最初は営業部で、それから店舗運営部が長かったですね。

BBM その店舗営業部での実績は目覚ましく、後ほどじっくりうかがうとして、いま、社長という立場に就いてみて、ご自身のキャラクターが社長業に生きていると感じることはありますか。

新家社長 好奇心はかなりある方だと思っています。趣味としてスポーツやエンターテインメント、興味のあるジャンルは広くて、仕事面では基本的にはこのホビーに関わるすべてのことを「もっと良くしたい」という思いからくる好奇心があります。

BBM その理想像というか、あるいは原風景のような、そんなイメージはお持ちですか。

新家社長 そうですね……自分だけではなく、お客さんご自身だけではなく、そのお客さんの友だちやパートナー、家族なども含めて、「この趣味、いいね」って感じてもらいたい、ということですね。

BBM そこが事業における絶対的な判断基準になっているんですね。

新家社長 お客さんのことを中心に話しましたけど、もっと言えば我々の本部の社員や店舗スタッフ、そしてその家族、さらにはもちろんカードを作ってくださっているメーカーの皆さまとそのご家族、といった、関わるすべての皆さんもです。例えばメーカーの皆さんなら、「うちで作ったカードがこのお店で売ってるんだよ」って家族の皆さんに自慢してもらえるような、そんなお店にしたいな、って。


(左)1993 UPPER DECK Michael Jordan
1993年、初めて買ったNBAパックから出たジョーダンのカード。今も大切に持っている。

(中)1996 SKYBOX PREMIUM Ruby PSA10 Shareef Abdur Rahim

2000年頃、米国版ヤフーオークションで偶然見つけて、アカウント作りから苦労して手に入れた一枚。

(右)1996 TOPPS CHROME REFRACTOR Shareef Abdur Rahim

学生の時にコレクションの深さを知り、その美しさに魅了された名ブランドTOPPS CHROME。いまもGリーグコミッショナーになったラヒームを尊敬している。

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事