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2018-06-27

熱中症に注意!~子どもとシニアの熱中症を予防しましょう~

夏は本番を前に

全国的に気温が上がり、各地で気温は30度超えを記録しています。モワッとした空気につつまれて、汗がべたつく暑さです。

※こまめな水分補給を忘れずに
写真:pixta

本格的な夏が始まっているかのような暑さですが、この時期から気をつけたいのが、熱中症です。
急に気温が上がってくると、体はまだ暑さに慣れていないため、体温調節がうまくいかず、熱中症になる危険性が高まります。
特に体温調節機能が十分に発達していない子どもや、体温の調節機能が落ちてきているシニアの方は、熱中症を発症しやすく、十分な注意が必要です。

子どもの熱中症予防

環境省が今年4月に改定を発表した「熱中症環境保健マニュアル2018」では、子どもの熱中症を防ぐポイントとして、以下の4点を紹介しています。

①顔色や汗のかき方を十分に観察しましょう
子どもを観察したとき、顔が赤く、ひどく汗をかいている場合には、深部体温がかなり上昇していると推察できるので、涼しい環境下で十分な休息を与えましょう。
②適切な飲水行動を学習させましょう
喉の渇きに応じて適度な飲水ができる(自由飲水)能力を磨きましょう。
③日頃から暑さに慣れさせましょう
日頃から適度に外遊びを奨励し、暑熱順化を促進させましょう。
④ 服装を選びましょう
幼児は衣服の選択・着脱に関する十分な知識を身につけていません。そのため、保護者や指導者は熱放散を促進する適切な服装を選択し、環境条件に応じて衣服の着脱を適切に指導しましょう。

肥満傾向の子どもは熱中症弱者です

子どもの場合、特に思春期前の子どもは、汗腺をはじめとした体温調節能力がまだ十分に発達していないため、熱中症にかかるリスクが高くなりますが、なかでも肥満傾向の高い子どもは深部体温が高くなりやすく、暑熱環境下での長時間運動に対して、弱者的立場にあることを忘れてはなりません。
保護者や指導者はこのことを十分に留意して、夏季のスポーツ活動を計画し、上記のポイントに配慮して、子どもの熱中症を防きましょう。

シニアの熱中症予防

シニア(高齢者)も熱中症弱者です。
高齢者の場合には、老化に伴い皮膚に存在する温度センサーの感度が鈍くなり(体が暑さを感じにくくなっている)、自律性体温調節の発動も遅れてしまいます。
自律性体温調節というのは、皮膚からキャッチした「暑さ」の情報に基づいて体温調節中枢が皮膚血管や汗腺に命令を出し、皮膚血流量や発汗量を増やすことで行われる体温調節です。
自律性の体温調節の鈍化によって、体に熱がたまり、熱中症の発生へと繋がります。
高齢者の部屋に「温湿度計」を置き、30度を超すような暑い日には冷房を積極的に使用して、室温をほぼ28℃前後に保つようにしましょう。

また、行動性体温調節の鈍化に対する注意も必要です。
行動性体温調節というのは、熱さに対して自然に行う体温調節であり、例えば通常は汗をかいて脱水が進むとのどの渇きが起こり、自然に水分を摂取するものですが、高齢になるとは脱水が進んでものどの渇きが起こりにくくなり、水分摂取が遅れてしまいがち。そのために脱水状態に陥りやすく、熱中症になるリスクが高くなるのです。
さらに、加齢のために腎機能が低下し、遅れて水分補給をしても脱水からの回復がしにくいという面もあります。発汗する機会が多くなる夏には、高齢者はのどの渇きが起こらなくても、早め早めにこまめな水分給を行いましょう。

体力アップで体温調節能力のアンチエイジング!

そしてもう1つ熱中症予防予防として取り組みたいのは、体力アップです。
若年者と変わらない体力レベルを保っている高齢者は、暑さにも強い(発汗能力などが高い)ことがわかっています。高齢になっても日常的な運動習慣を身につけて、体力アップと体温調節能力のアンチエイジングを図りましょう。

また、運動直後30分以内に糖質とタンパク質を含んだ食品(例えば牛乳1~2杯)を補給すると、血液量が増え、熱放射能力が改善することがわかっています。
体力づくりを運動直後の栄養補給とセットで行ってより効果的に熱中症対策を行いましょう。
ただし炎天下で運動は危険です。涼しい時間帯に熱のこもらない涼しい服装で運動を行うことをお勧めします。

高齢者の熱中症予防の注意点
①のどが渇かなくても、早め早めにこまめな水分補給を行いましょう。
②室温を測り、冷房を積極活用して、室温を28度前後に保ちましょう。
③運動習慣を身につけて、体力アップを図りましょう。

高齢者の世話をする人が注意する点
①【体調】元気か、食欲はあるか、熱はないか、脇の下・口腔の乾燥具合
②【具合】体重、血圧の変化、心拍数、体温はどうか。
③【環境】世話をする人がいない間の過ごし方、部屋の温度や湿度、風通し、換気、日当たり

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