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2024-02-07

この決勝戦は必然!? 熟成5年の白昼夢vs運命に導かれたでじもん。東京女子2・10後楽園でのタッグトーナメント決勝戦の行方は…【週刊プロレス】

白昼夢(左)とでいじーもんきー

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 “ふたりはプリンセス”Max Heartトーナメントは2021年にスタートした東京女子最強タッグチームを決める新春恒例のイベント。1月4日の後楽園ホールで水波綾&愛野ユキが第15代プリンセスタッグ王者になり、タッグ戦線に新たなうねりが予想される中で開催された今年の第4回大会で2・10後楽園ホールにおける決勝戦に駒を進めたのは辰巳リカ&渡辺未詩の白昼夢と鈴芽&遠藤有栖のでいじーもんきーだ。

 22年大会にも優勝している白昼夢の決勝進出は順当に思えるが、昨年の大会の準決勝で敗れている中島翔子&ハイパーミサヲの享楽共鳴、1・4後楽園ホールでインターナショナル・プリンセス王者になった荒井優希と昨年12・1後楽園ホールで『ねくじぇねトーナメント23』に優勝した上原わかなの時の勢いに乗るコンビを撃破して勝ち上がったのだから、実力を見せつけての堂々の進出だ。

 白昼夢のコンビ歴は2019年だから今年で5年。同年11月3日、DDTの両国国技館で沙希様&操のNEO美威獅鬼軍を撃破して第6代プリンセスタッグ王者になった時には、キャリア2年足らずの未詩がどうやってベルトを巻いていいのかわからず、辰巳に手伝ってもらっていたことが思い出される。

 その未詩は3月31日の東京女子2度目の両国国技館のメインイベントで山下実優のプリンセス・オブ・プリンセス王座への挑戦が決定しているが、今回のトーナメント優勝の先にはプリンセスタッグ王座奪取を見据えている。つまり両国の1大会でシングル&タッグの二大タイトル挑戦を実現させる気でいるのだから逞しく成長したものだ。

 なお、白昼夢のチーム名の由来だが、チーム名を思案している時にリカの頭に“白昼夢”という言葉が降りてきて、ホワイトドラゴンの白、それに夢…という文字に「私たちのイメージにピッタリだ!」と未詩にLINE。LINEを見た未詩は“白昼夢”が読めず「しろ・ひる・ゆめ…何だろう? でも、夢が入っているのが素敵だな」と検索して「なんて素敵な言葉なんだ!」と気に入って2人に合意で決まったという。

 ただ、この5年間を改めて検証すると…19年11・3両国で第6代プリンセスタッグ王者になってから20年11・7TDCホールで天満のどか&愛野ユキの爆れつシスターズに明け渡すまでの1年間で爆れつシスターズ、伊藤麻希&らく、享楽共鳴、舞海魅星(現MIRAI)&鈴芽のBeeStar相手に4度防衛した後、22年の“ふたりはプリンセス”Max Heartトーナメントに優勝した以外は、タッグチームとして結果を残していないのが現実。

 昨年12・1後楽園ホールで坂崎ユカが卒業してマジカルシュガーラビッツが不在となった今、ライバルだった白昼夢に東京女子のタッグチームの代名詞になってほしいという声は多い。この決勝戦は正念場…二兎追う未詩、そしてデビュー10周年を迎えたリカには心に期するものがある。

 一方、らく&ぽむの曲者コンビ、切磋琢磨してきた宮本もか&長野じゅりあの真拳空勝を突破して決勝戦に駒を進めたでじもんは、タッグチームのキャリアは浅いものの、運命に導かれて結びついたと言ってもいい2人だ。

 21年1月4日、後楽園ホールにおける有栖のデビュー戦の相手を務めたのが鈴芽だった。有栖はデビュー6戦目の1・31板橋区立グリーンホールで初めてタッグ形式の試合を経験するが、その時のパートナーが鈴芽と上福ゆき。相手は愛野&らく&もかで、上福がフェイマサーでもかに勝利し、自力勝利ではないものの、有栖にとって初勝利になった。

 そして11日後の2・11後楽園で初めてコンビを結成して何とマジラビと対戦。有栖が坂崎のマジカルメリーゴーランドに敗れたものの、鈴芽&有栖の躍動感溢れるフレッシュなファイトは高く評価されて“ありすず”としてファンから注目されるようになった。同年10月9日の東京女子の大田区総合体育館初進出でありすずvs里歩&中島翔子というカードが組まれたことでも当時の期待度がわかる。

 22年1・4後楽園ホールでは桐生真弥&もかと対戦して有栖がキャメルクラッチでもかに勝利。有栖は1年前に胸を借りた鈴芽とのコンビで自力勝利をモノにしたのである。

 同年3・6大手町三井ホールで荒井&もかとプリンセスタッグ次期挑戦者決定戦。荒井&もかには1月の“ふたりはプリンセス”Max Heartトーナメント2回戦で敗れていたが、鈴芽がリング・ア・ベルで荒井に勝利して挑戦権を獲得。挑戦決定を機にチーム名をでいじーもんきーにした。デイジーの花言葉の「あなたと同じ気持ちです」が込められたタッグチーム名なのだ。4月9日の後楽園ホールにおけるマジラビへの挑戦は、有栖が瑞希のダイビング・フットスタンプに敗れてしまったが、2人の絆は深まった。

 昨年3月18日の東京女子の有明コロシアム初進出では有栖のデビュー戦以来の一騎打ちを行なったが、リング・ア・ベルで勝利した鈴芽の「有栖とベルトを持つ未来が見たいし、見せたいと思った」という言葉が印象的だった。

 そして今回の決勝進出。これまでファイト内容が評価されても、なかなか結果がついてこなかったでじもんにとってターニングポイントになることは間違いない。

 白昼夢とでじもんの対戦はこれまでたったの一度だけ。昨年4・22エディオンアリーナ大阪第2競技場でリカがツイスト・オブ・フェイトで有栖に勝っているが、タッグ対決というよりは、その後の5・5後楽園ホールで行われる王者・リカと鈴芽のインターナショナル・プリンセス王座戦の前哨戦の要素が強かった。

 今回の闘いは「どちらがタッグチームとして強いのか?」が問われる勝負。これまで個々の力ではリカ、未詩が圧倒しているが、そこを鈴芽と有栖がチーム力でどう対抗していくのか?

 5年という時間をかけてチームを熟成させてきた白昼夢と運命に導かれたでいじーもんきー…“ふたりのプリンセス”はどちらだ!?

文/小佐野景浩

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