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2023-10-24

東京女子10・27後楽園でプリプリ王座挑戦! TAJIRIも巻いたFCFヘビー級王者“北欧の未確認モンスター”レジーナが全貌を現す!【週刊プロレス】

FCFのベルトを手にするレジーナ

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 東京女子プロレスの最高峰、プリンセス・オブ・プリンセス王座4度目の戴冠を果たした山下実優。もちろん最多の獲得回数を誇るとともに、最近では海外のベルトも巻いている。その山下がプリプリ王座初防衛戦で迎えるのは、未知の外国人レスラーだ。これはある意味、山下にとって新たなるチャレンジと言っていいのだろう。いまの山下だからこそ、いまの山下にしかできないであろうタイトルマッチ。その相手となるのが、今回フィンランドから初来日となるレジーナである。

“北欧の未確認モンスター”と呼ばれるレジーナは10・20会津若松、10・21仙台でその姿が目撃された。といっても、試合時間はともに5分前後。正直、その全貌が見られたとは言い難い。それでも、身長166センチながら100キロオーバーの体重105キロは迫力十分。鳥喰かやとHIMAWARIを圧倒し、モンスターの片鱗を見せつけた。コメントからもプリプリ王座奪取に絶対の自信がうかがえる。では、10・27後楽園でその全貌を現すレジーナとは、いったいどんなレスラーなのか。

 レジーナはフィンランドの首都ヘルシンキ出身、ヘルシンキから北の街ドゥードラで育った。プロレスとの出会いは10歳の頃。テレビで見たWWEにハマり、ジョン・シーナ、バティースタ。エッジ、ベス・フェニックスらがアイドルだった。身体の大きなプロレスラーのファイト、パフォーマンスに魅了され、比較的大柄だった彼女も幼心に大人になったら自分もプロレスラーになると心に決めた。

 しかしながら、WWEはアメリカのプロレス団体だ。時間が経つにつれフィンランド人である自分の夢が非現実であることがわかってきた。が、それでもプロレスラーになりたいと思っていた彼女は、アメリカと地続きのカナダに行こうと考えた。それは、カナダ人であるエッジの影響。実際、かつてはカルガリーのハート・ファミリーが世界から志願者を受け入れたり、ランス・ストームの道場に渡りデビューした外国人レスラーが何人もいる。

 しかし、彼女の場合、そこまでしなくてもレスラーになるチャンスがやってきた。地元ドゥードラで偶然、プロレスのポスターを発見。それは、フィンランド唯一のプロレス団体(当時)、FCF(ファイトクラブフィンランド)の興行だった。このときはじめて、彼女はフィンランドにもプロレス団体があることを知ったのである。

 FCFとは2010年、TAJIRIのSMASHが日本に紹介し、日本のプロレスファンにも知られるようになったフィンランドの団体だ。“北欧の神”と言われる総帥スターバックを筆頭に、次々とユニークな未知のレスラーが参戦。FCFは男女混合団体であり、今回東京女子にやってきたレジーナも、当時からの系譜を受け継ぐ謎に満ちた選手と言っていいだろう。まさしく“北欧の未確認モンスター”なのである。

 ハイスクールを卒業し、彼女はFCFの門をたたいた。キングコング・ガータフラ、バレンタインのコーチ受け、15年5月2日の3WAYマッチでデビューを果たした。19年12月7日にFCFフィンランド・ヘビー級王座に5WAYラダーマッチで初挑戦。初めてのタイトルマッチで王座奪取はならなかったが、22年6月にオーストリアのROE(リングス・オブ・ヨーロッパ)でGLAM!王座を奪取し初戴冠。ROEの女子王座を1年間守り抜いた。FCFヘビーは今年2月の挑戦者決定トーナメント準決勝で敗れるも、三度チャンスをつかみ、5月27日にタイトル奪取、第34代王者となったのである。

 TAJIRIが2度、スターバックが5度、直接の師匠であるガータフラ、バレンタインともに4度巻いたベルトを獲得。彼女は同王座史上初めての女子選手でもある。それまでは男子のためのタイトルだったのだが、レジーナ戴冠を機にジェンダーレスになったという。ここまで2度の防衛を果たしており、すべて男子選手が相手。後継者が出てくるのはまだ先かもしれないが、FCFの歴史を変えたのがレジーナなのだ。

 現FCFフィンランド・ヘビー級王者として来日したレジーナ。男子のスーパーヘビー級がひしめくなかで獲得したタイトルだけに、自身のスタイルには絶対の自信を持っている。山下とは前哨戦なしの一発勝負。しかし、気負うところはどこにもない。ヨーロッパ以外の国で試合をするのは初めてながら、日本での2試合は肩慣らし、雰囲気に慣れるといった程度だったようだ。試合後には「イージー(楽勝)」を強調していたと同時に、山下がイージーでないことは百も承知である。

「ヤマシタが蹴りが得意なことはわかっている。強くて重い、私の分厚い肉体にどこまで通用するかしらね? 初対決になるけど、しっかり研究していくつもり。これまでのキャリアすべてを懸けて闘うわ。私はFCFのルールをブレイクした。FCFの歴史を変えたレスラー。私がこのベルトを取ったことで、FCFはメンズクラブではなくなったの。私はパイオニアであり先駆者。私はいま、FCF変革の象徴となっているの。この実績は自分自身だけではなく、ほかの女子選手のためにもなっている。その私がジャパンでヤマシタからプリンセス・オブ・プリンセスのベルトを奪う。初めてのジャパンだけど、ナーバスにはなっていない。私のスタイルはジャパンのハードヒットにも対応できる。だからまったく心配はしていないわ」

 彼女はデビュー当初から「レジーナ」を名乗っている。レジーナとは、ラテン語でクイーン(女王)の意味だ。しかも、自分自身でつけたリングネーム。相当の自信がなければできないだろう。フィニッシュ技は、フィンランド人、フィンランド語を意味する「Finnish(フィニッシュ)」(ダブルアーム式パイルドライバー)。フィンランド以外で試合をするときにはFinnishの名称で使用しているとのことで、こんなところにもフィンランド人としての誇り、フィンランド代表の意識で闘っていることがうかがえる。

「肉体的にも精神的にもタイトルマッチへの準備はできている。ヤマシタとの試合は(ハード)ファイトになるでしょう。そのうえで、私がプリンセス王者になって会場を去る。間違いなくね!」

Finnishでフィニッシュを取り、レジーナ(クイーン)がプリンセスにもなる。その瞬間がやってくるのか、それとも…。10・27後楽園での山下vsレジーナは、日本vsフィンランドという日本の女子プロ界にとっても画期的な図式である。ここから何が生まれるのか? 注目の一戦を見逃すな!(新井宏)

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週刊プロレスNo.2271 (2023年11月8日号/10月25日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

今週号の表紙は全日本後楽園大会の三冠戦後、敗れた宮原健斗が場外で倒れていると花束をもって突如登場した中嶋勝彦です。全日本51年目の旗揚げ記念日となった聖地決戦は三冠王者の青柳優馬がエース宮原を下してV5達成。そのほか諏訪魔が尾崎魔弓&雪妃魔矢との“魔のトリオ”で6人タッグ王座奪取など注目試合中心で巻頭から詳報。新日本はジュニアタッグリーグが開幕。マスター・ワト&エル・デスペラード組、YOH&MUSASHI組など注目の日本人タッグの初戦中心にリポート。イギリス・ロンドンでおこなわれたビッグマッチもオスプレイvsザックのIWGP US(UK)戦など詳報。スターダムはタッグリーグ序盤。好調な出だしを見せている岩谷麻優&羽南の“アイコンタクト”のリーグ戦ほか、ワールド王座挑戦が決まっている鈴季すずが負傷欠場中の王者・中野たむに痛烈発言連発のインタビューも必読。DDT後楽園は11月の両国ビッグマッチへ向けて加速。クリスvs上野のKO-D前哨戦開戦のほか、高橋ヒロムが来場してアイアンマン王座を奪取するサプライズもあり。DDT関連では解散したフェロモンズをディーノがあらため検証する企画もあり。そのほかNOAH後楽園、大日本・札幌、ドラゲー福岡、OZアカデミー横浜、東京女子会津若松&仙台、夏すみれ10周年新宿など掲載。【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、第三種郵便での発送となります。約1週間でのお届けとなります。土日祝日の配送がありません。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

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