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2020-02-22

【柔道】グランドスラムデュッセルドルフ1日目コメント

日本勢の1日目は、60kg級・髙藤直寿、66kg級・阿部一二三、52kg級・阿部詩が優勝、48kg級・渡名喜風南が準優勝。4選手の試合後のコメントと、井上、増地両監督のコメントを紹介する。

※写真上=66kg級で優勝した阿部一二三
写真◎IJF

60kg級優勝 高藤直寿(パーク24)

 (決勝が不戦勝ちとなり)僕、めっちゃもってるな、ラッキーって思いました(笑)。

でも、きょうは誰が来ても勝っていこう、リオ五輪の悔しさも忘れずに戦っていこうと思って臨みました。3年間、銅メダリストとして生きてきたので、東京五輪では金メダリストになりたい、そうと思っていました。

 僕は最近、ずっと渋い柔道しかしていなかったんですけど、今日は昔の自分らしい柔道ができたなと思います。自分らしさというのを出そうと思えばいくらでも出せるし、勝ち続けるためにあえてそれを止めてきたというのもありますし、いまが、一番強い高藤直寿だと思っています。

 今回は準備が良かったと思います。やることは全部やりました。そこまでさせたのは、オリンピックに出たいという気持ちがあるから。家族をオリンピックに連れて行きたいと思っています。

※60kg級で優勝した髙藤直寿

66kg級優勝 阿部一二三(日本体育大学)

優勝できたことは、まぁよかったなと思います。勝たないといけないという気持ちが強すぎて、序盤は下がりすぎたり、引いてしまった場面があって自分らしさが出せない部分があったんですけど、しっかり投げきるところ、決めきるところに自分らしさが出たと思います。

五輪代表争いについては、(丸山城志郎選手との)直接対決しかないと思っていたので、ここで満足していないので、もっといいパフォーマンスしていきたいと思います。

寝れないとか、プレッシャーはあったんですけど、絶対に勝つという中でも肩の力を抜いて、もっと自分らしい柔道を出していきたいなと。堅くはなっていたんですけど、気持ちの部分はリラックスしていたかな。

僕もしっかり次の試合も勝ちきって、きょうだいで五輪優勝という目標を達成したいなと思います。

52kg級優勝 阿部詩(日本体育大学)

決勝は思っていた動きとはほど遠いんですけど、この大会は東京五輪への通過点だと思って挑めと言われていたので、東京ではこの試合で出た課題をしっかり克服して、もっと自分らしく、もっと強くなった姿を見せたいなと思います。

 ブシャール選手に勝てたことは、うれしいというよりほっとしてるというか、私、もう二度と負けないぞという気持ちで臨みました。

 GS大阪よりは緊張した柔道、自分の柔道をしようとこの期間やってきたんで、もうちょっと前に出られたらよかったんですけど、ところどころ前へ出られたのでよかったです。

代表選考のことは考えて、優勝して代表に選ばれることが一番だと思うのでそこはしっかり優勝できてよかったと思います。何事にも動じず、周りにも動じず、流されず、自分の柔道がしっかりできたのでよかったです。

※写真上=52kg級で優勝した阿部詩

井上康生男子監督

まずは髙藤、阿部のふたりとも大事な試合でしっかり勝ち切ったということが非常に評価できるところだと思います。

阿部は、きょうは東京五輪代表争いにおいて立場的に絶対に落とせない試合という状況でしたので、序盤から固さがあったな、と思います。非常に慎重で…というよりも慎重すぎるほどでした。組ませてもらえないというより、組みにいききれなかった、ということだと思います。

 勝ち上がりの中で親指を負傷したのですが、決勝ではケガの巧妙じゃないですけど、気持ちの面で吹っ切れ、彼らしい前へ出る柔道につながったのではないかと思いました。

ケガをしっかり治させて代表争っている丸山とともに万全の態勢で次なる戦いに臨ませたいと思います。

高藤については、決勝は相手の棄権により不戦勝となりましたが、きょうはそれまでの勝ち上がりで場面場面の課題はあったにせよ、良い内容だったと思います。

これまでは固さが出るといわば安全牌で勝負をしようというところがありましたが、きょうは準決勝のように変幻自在に技を出せていたのが非常に大きかったと思います。

代表を争っている永山にはGS大阪という選考にとって重要な大会を直接対決で制していますので、きょうの勝利でも代表に大きく近づいたと言っていいと思います。

増地克之女子監督

阿部詩は、決勝で対戦したブシャール選手に対して、昨年11月のGS大阪では代表内定がかかっていて挑戦者という気持ちが出なかったが、きょうはしっかりそういう気持ちを出していけたのではないかと思います。

組み手で自分のペースをつかめていたところがひとつのポイントになったと思います。とくに引き手を絞られないように相手の組み手を徹底して嫌って自分の技を出していました。

渡名喜については、決勝で相手に背中を取られて、距離を詰められてからの対処ができず、自分の柔道に持ち込めなかったのが敗因だったのではないかと思います。ただし、背中を取られる相手への対処については渡名喜だけでなく、日本女子の課題となっていますので、全階級で対策をとっていきたいと思います。

代表選考においては渡名喜は敗れはしましたが、48kg級の中では他の選手より五輪代表候補の優位にいますので、27日の強化委員会では内定の審議にかけることにはなると思います。

57kg級を欠場した芳田については、3年連続のファイナリストであることは変わることのない事実ですので、ライバルの鍋倉とともに強化委員会に諮ることにはなると思います。

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