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2019-08-28

【柔道】世界柔道選手権大会第3日目  井上&増地両監督コメント

大会3日目、男子は73kg級・大野将平選手が圧倒的な強さを見せて優勝。女子はデグチ・クリスタ(カナダ)に決勝で芳田司選手が破れ、惜しくも大会連覇は逃したが銀メダルを獲得した。

井上康生 男子監督

大野は自信と信念を持って戦ってくれた

今日の大野将平は、非常に素晴らしかったと思います。1日を通して彼自身の能力の高さが表れていました。

今大会に向けてはそれを裏付ける、量も質も高いレベルで練習を積んできましたが、そうした準備がしっかりできる選手であり、攻めても、しっかり守り切れる、そういう柔道ができていたと思います。

準々決勝は寝技で一本勝ちしたように、寝技の精度も高くなってきていると思います。どこを持っても技に入ることができ、自分の形にもっていく高い技術があります。攻撃の幅が広がり、相手がどのような形で来られても跳ね返す力を持っていると言えます。隙のない選手になってきました。

昨年のアジア大会では優勝したものの課題もありましたが、それを克服してきました。リオ五輪前、いやリオ五輪以上の強さを身につけてきていると感じます。

彼自身の目標は、五輪2大会連続金メダルでしょうから、それに向け、油断することなく取り組んでいってもらいたいと思います。

されど、この階級には2番手に橋本壮市がいますし、昨日と同じになりますが、誰が出ても東京五輪で優勝できるよう、ひとつ一つ詰めていきたいと思っています。

今日は、予選ラウンドを終えた時点で、いけるとは思いました。しかし、勝負の世界は何があるかわかりません。大野にも決勝前には「このままいけば勝つことができるだろうが、調子を過信することなく臨むように」と伝えました。自信と執念をもって戦ってくれたと思います。

※写真上=決勝では2016年リオ五輪決勝と同じ相手、オルジョフを内股で下した大野(青)
写真◎近代柔道

増地克之 女子監督

芳田はケガから復帰して、よくここまで持ってきた

芳田とデグチ選手の決勝は、紙一重の勝負でした。終始、芳田のペースだったが、最後に少し体が伸びてしまった。デグチ選手は気持ちが折れなかったし、今日はこの結果になったということです。

芳田は決勝ラウンドから集中力が増して、ギアが上がった。準々決勝は「技あり」を取られてからよく逆転しました。最後まで諦めずに戦えましたね。

準決勝は5月のGSバクーで敗れたシルバ選手が相手で、彼女もまた来年に向けて調子を上げてきている状況でしたが、延長戦でしっかり「一本」で勝てた。自信になったと思うし、いい印象を与えられたと思います。

今日の調子は良くもなく悪くもない感じでした。でも、ケガから復帰して、よくここまで持ってきたと思う。

自分から攻めていっての敗戦。また次に戦えば、今日の結果にはならないと思います。今後は紙一重の戦いを、いかに勝っていくかが大事になりますね。

※写真上=57kg級決勝はゴールデンスコアの延長戦にもつれ込んだが、最後はデクチ(青)の執念が芳田を上回った

写真◎近代柔道

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