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2024-04-15

【しゅりんぷ池田のカード春秋】浮き沈みの激しかった大竹耕太郎の今季は?

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昨季、チームの勝ち頭となる12勝を挙げ阪神を優勝に導いた大竹耕太郎が阪神タイガース ベースボールカード2024のサブセット「ON THE RISE」に登場しています。「ON THE RISE」は「上昇中」というような意味合いです。昨年現役ドラフトでソフトバンクから阪神に加わった大竹は一時の低迷から脱し、上昇気流に乗ったわけです。

同投手はこれまでも大きな浮沈を経験してきました。早大2年時にチームを春秋連覇に導き、大学選手権で優勝、明治神宮大会で準優勝の原動力となるエースの活躍をみせたのですが、その後状況が暗転。3年秋以降は登板機会が激減し、3年秋、4年春は未勝利、4年秋にようやく1勝を追加して通算11勝としましたが、プロ入りは厳しい情勢となりました。

なんでも、球速を上げようとしてフォームを変えたところバランスを崩し、故障を誘発することになったのだとか。17年秋になって当時の早大・高橋広監督のもとにソフトバンクが大竹を育成ドラフトで指名したい旨、打診があったそうなのです。同監督はこれをよしとしなかったのですが、大竹の強い希望で育成(それも4巡目!)でプロ入りすることに。実は筆者も早大出身で東京六大学もよく見ているのですが、このプロ入りには懐疑的でした。

ところが、18年のウエスタン・リーグで8勝0敗、防御率1.87の好成績を残して7月末に支配下登録を勝ち取り同年3勝、翌19年は5勝を挙げ、それなりの戦力になっていたので驚きました。

しかし、ここからまた雲行きが怪しくなり、20~22年は一軍での登板が7試合のみに。20年こそ2勝を挙げますが、21、22年は未勝利のまま現役ドラフトで阪神に転じることに。この急激な登板機会の減少は、またしても球速が関係していたのだとか。ホークスは球速を重視するチームだったこともあり、それほど球が速くない大竹の評価は低いものとなったようなのです。

一方、移籍した阪神は球速よりもコントロール重視のチームだったこともあり、制球力に定評のある大竹の評価は高まり先発ローテーションに加わることになったのでした。こうした大きな浮沈を繰り返してきた大竹の今季はどうでしょうか。今シーズンも安定した成績を残してくれることを期待しています。


当コラムは、これまで「週刊ベースボール」の「Curutural Review」のページに掲載されていたカードのコラムを転載していたのですが、2001年春から続いていたこの連載が先日の4月1日号をもって終了しました。今後、当コラム「カード春秋」(※)はBBMカードサイトのオリジナルコラムとして続けていこうと考えておりますので、よろしくお願い致します。

※「カード春秋」というタイトルは、わたしの出身校・香川県立高松高校(旧制・高松中)の大先輩にして、文藝春秋社の創設者である菊池寛先生へのオマージュなのです。
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