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2024-05-24

“新日本の至宝”IWGP世界ヘビー級選手権をセミに追いやったスーパージュニア決勝戦の意味【週刊プロレス】

1992年「トップ・オブ・ザ・スーパージュニア3」を制した獣神サンダー・ライガー

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新日本プロレスでは上半期のビッグマッチとして6月9日、大阪城ホールで「DOMINION」を開催するが、同大会のメインイベントとして「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア31」の決勝戦をおこなうことが発表された。スーパージュニアの決勝を始め、過去にジュニアヘビー級の試合がメインでおこなわれることは何度かあったものの、世界を冠する以前も含めて新日本の至宝ともいうべきIWGPヘビー級タイトルマッチを押しのけてメインを飾るのは、藤波辰巳(当時)がジュニアヘビー級王者として凱旋した1977年以降を見ても今回が初。ここではスーパージュニアの“ヘビー級チャレンジ”の歴史を振り返ってみる。(リングネーム、タイトル名は当時のもの)

新日本プロレスにおいて、初めてジュニアヘビー級のシングルマッチがメインでおこなわれたのは、1978年10月20日、大阪・寝屋川市民体育館でのWWWF世界ジュニアヘビー級タイトルマッチ。ドラゴンロケットをかわされて観客席に突っ込んで大流血に見舞われながらも、大逆転勝利で10連続防衛を果たした藤波辰巳vsチャボ・ゲレロ。

アントニオ猪木が解説を務め、生中継でいきなりオンエアされる“ワンマッチ中継”。実験的要素があったとはいえ、思い切った編成だ。この後も藤波はメインでジュニアヘビー級タイトルマッチをおこなっているが、その際はワンマッチ中継”ではなかった。

ちなみに初代タイガーマスクがシングルでメインを務めたのは、猪木が欠場したシリーズ中の1回のみ。対戦相手はダイナマイト・キッド。フェンスアウトによる反則ながら、唯一の黒星を喫した金沢での一戦だ(1982年7月23日、石川県産業展示館)。

さて、スーパージュニアで優勝決定戦がメインでおこなわれたのは、保永昇男が獣神サンダー・ライガーを破って優勝をかっさらった1991年(第2回)。しかし“トップ・オブ”時代の4大会はシリーズ名にスーパージュニアは冠されていなかった。他団体選手にも門戸を開き“ベスト・オブ”に名称を変更した1994年から、シリーズ名にスーパージュニアを冠するようになる。

1995年の決勝戦は、IWGPヘビー級選手権試合(武藤敬司vs“ロード・ウォリアーズ”ホーク・ウォリアー)、IWGPタッグ選手権試合(橋本真也&平田淳嗣組vs山崎一夫&飯塚高史組)にメイン、セミを譲る形に。

1996年は翌日に全日本プロレスが同じ日本武道館大会を開催する興行戦争のあおりを受けてセミ前。メインは橋本真也vs武藤敬司のIWGPヘビー級タイトル戦。スーパージュニアをシリーズ名に冠しているにもかかわらずメインの座を譲らざるを得なかったのは、ジュニア戦士にとっては屈辱でもあった。

1998年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア5」では最終戦で優勝決定戦はおこなわれず、2大会前の大阪(中央体育館)で頂点を決めることに。最終戦(日本武道館)のメインでは藤波辰爾vs橋本真也のIWGPヘビー級選手権試合が組まれた。同年も1週間後に当時、四天王時代全盛で都内大会で連続満員記録を更新中の全日本の日本武道館大会が控えており、ジュニアヘビー級では興行戦争に勝ち抜けないとの考えからのマッチメークだった。

1999年は日本武道館で初めて優勝決定戦がメインに。セミは天龍源一郎vs橋本真也だったがノンタイトル戦だったため、看板王座を押しのけてのメイン返り咲きではなかった。

2000年からはシリーズ最終戦のメインで優勝決定戦がおこなわれる形が定着する。2009年からはヘビー級の主力選手はシリーズに参加せず、ジュニア戦士がシリーズを占拠する形に。コロナ禍で「ワールド・タッグリーグ」と同時開催となった2020年、2021年はともにスーパージュニア優勝決定戦がメインを務めている。

“トップ・オブ”から数えて35回目にして初めて世界を冠する前を含めてIWGPヘビー級のタイトル戦をセミファイナルに追いやったスーパージュニア。「DOMINION」の大会名通り、新日本マットを制圧したジュニアヘビー級。どのようなドラマが待ち受けているのか……。

橋爪哲也

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週刊プロレスNo.2302 (2024年6月5日号/5月22日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

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