関東学生リーグ・1部ビッグ8の第2節。9月24日に行われた駒澤大ー東京学芸大と横浜国立大ー桜美林大は2試合ともにタイブレイクにもつれ込む大熱戦の末、駒澤大と横浜国立大が勝ってともに2勝0敗。敗れた東京学芸大と桜美林大はともに0勝2敗となった。
駒澤大ー東京学芸大は2年生ー3年生QB対決となった。横浜国立大ー桜美林大は4年生QB対決。4人ともしっかりとパスを投げられる好QBだ。両ゲームとも非常に見応えがある大熱戦となったが、2・3年生QB対決には発展途上の若さを感じ、4年生QB対決には4年生らしい貫禄を感じた。
駒澤大の樋口雅人(舞岡高)は、序盤は非常にコントロールよくパスを決めていたが、中盤に東京学芸からの激しいヒットを受けるシーンが増えると、終盤は一気にパスの精度が下がった。
東京学芸大の高橋空良(八戸高)もリリースの早いショートパスをテンポよく決め、成功率も非常に高かったが、オフェンスがリズムを掴み始めた第2Qの敵陣からのファーストダウンでのタッチダウン狙いのプレーでカバーされているレシーバーに不用意なパスを投げてエンドゾーン内でインターセプトを喫してしまい貴重な得点のチャンスを逃した。
負けた東京学芸大の高橋はもちろんだが、勝った駒澤大の樋口にとっても悔しさの残る試合だったのではないかと思う。しかし、2人のQBにとってこの接戦が貴重な経験となったことは間違いない。練習を積むことでテクニックを磨くことはできるが、QBにとって重要なゲームマネジメントのスキルやメンタルのタフさなどは試合に出ることでしか磨けない部分も多い。2人のQBのこの先シーズンを通じてどのように成長していくのが楽しみだ。
力強いランプレーを軸とした攻撃を指揮した桜美林大の渡辺俊介(横浜立野高)は試投回数こそ多くはなかったが、要所で思い切りの良いロングパスを決め、第4Qには33ヤードのタッチダウンパスで一度は逆転に成功。レシーバー陣の球際の強さも光った。
横浜国立の福岡和弥(袋井高)は高い確率での成功を見込んでいたであろうプレーアクションパスを何度も桜美林守備陣にうまくカバーされてしまったこともあり成功率は50%と高くなかったが、終盤逆転を許した後の厳しい場面でも淡々と落ち着いてプレーをし、タイブレイクを含む最後の3ドライブすべてでフィールドゴールレンジまでボールを進め勝利に貢献した。
両選手ともに下級生時から試合に出場してきた選手だが、技術面での成長はもちろんだが、当時の様子からは想像がつかない堂々としたクオーターバッキングだった。
次節は駒澤が桜美林と10月7日に、横浜国立が東京学芸と10月8日に対戦するが、開幕2連勝の両チームにとっても全く気の抜けない試合になるだろう。好QBの存在はリーグを面白くする。今年もビッグ8は最後までもつれそうだ。
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