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2024-08-20

【陸上】インターハイ男子100mで1年生が31年ぶりのメダル獲得 星稜高1年の清水空跳が10秒50で2位

10秒26の自己記録を持つ清水が1年生ながらインターハイ2位に入った(写真/中野英聡)

7月28日から8月1日まで福岡・博多の森陸上競技場で行われたインターハイ。準決勝で大会記録が更新されるなど盛り上がりを見せた男子100m。決勝では、10秒26の自己記録を持つ清水空跳(星稜高1年・石川)が10秒50で2位に入った。

全日中覇者が1年目から躍動し、42年ぶりの1年生2位に

大会2日目の男子100m。準決勝で西岡尚輝(東海大仰星高3年・大阪)がU20日本歴代3位、高校歴代2位の10秒11(+1.2)と快走し、桐生祥秀(洛南高・京都、現・日本生命)が持っていた大会記録(10秒19)を11年ぶりに更新。決勝も序盤からリードを奪い、向かい風1.5mのなか10秒26で優勝を飾った。

そして、10秒50で2位に入ったのが、1年生の清水空跳(星稜高・石川)だ。「スタートがうまく出られて、中盤からは乗り込みのある自分の走りができました」と、自身も納得の走りを見せた。

2週間前に行われた国民スポーツ大会石川県予選会で、U18日本歴代3位、高校歴代9位の10秒26(+1.9)をマークした清水。パリ五輪の準決勝を9秒96で駆け抜けたサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が、城西高(東京)1年時の2014年に出した10秒45の高1最高記録を、一気に0秒19も塗り替える衝撃のタイムをたたき出した。一躍、注目される存在となって迎えた福岡インターハイだったが、しっかりと結果を残した。

「10秒26を出して迎えた大会だったので、記録的には10秒2台か3台を狙っていました。準決勝で10秒37(+1.0)を出すことができて良かったです。1年生なので、まずはこの大舞台で決勝を経験したい。そして、あわよくば2位か3位に入りたいという気持ちで挑んだなか、メダルを持ち帰れることを誇らしく思います」

この種目での1年生の入賞は9年ぶりで、メダル獲得は1993年に3位の西川康秀(函館大有斗高・北海道)以来31年ぶり。2位以上となると、82年に2位の不破弘樹(東農大二高・群馬)以来、42年ぶりの快挙となった。

清水は長田中(石川)3年時に、全日中の200mで優勝。今年2月の日本室内大阪大会では、U16の60mを制した。高校入学後も順調に伸びている要因については、「地元の金沢に残って、陸上ができていることが大きいです。両親に助けられたり、先生方にサポートしてもらったり。中学からの仲間たちも多く、一緒に高め合って練習できています」と、周囲の環境を第一に挙げる。中学1年の春には、指定難病の重症筋無力症と診断され、体力が低下した時期もあったが、陸上経験者の両親に支えられて克服。薬で症状をコントロールして、今では体調の不安なく競技を続けられている。

10月には、2つの全国大会が行われる。昨年の鹿児島国体で当時の中学記録(10秒54)を樹立した片山瑛太(市船橋高1年・千葉)も、同学年の清水の活躍に刺激を受けており、「負けないように頑張ります」と、高校で初めての対戦を心待ちにしている。夏に偉業を成し遂げた清水が、今度は同世代のライバルたちの挑戦を受ける。

文/石井安里 写真/中野英聡

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