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2024-11-27

【サッカー】サッカーにおける状況判断の重要性 状況判断に優れたフットボーラーの共通点とは

今号では判断の重要性を語っているが、その判断を実現するには技術が必要だと語る。バレージやストイコビッチは優れた例だ。2選手の解説は第二回にて(Photo:Getty Images)

|いかに技術の幅を広げ、有益な情報を手にするかが、優れた判断の出発点かもしれない

試合を決めるゴールに、勝敗の行方を左右するプレー。記憶に残るシーンが生まれた背景には、選手たちの卓越した状況判断があった。取材歴30年のサッカージャーナリストが、状況判断に優れたシーンを振り返り、彼らが持つ共通点を綴った特別コラムを3回に分けて公開する。
(引用:『サッカークリニック 2024年12月号』 【特集】図解つき!サッカーの優れた状況判断PART4:特別コラム 状況判断に優れたフットボーラーたちより)

文/北條聡(サッカージャーナリスト)


三笘薫は今や世界レベルのアタッカーとして名高い。第3回では中村、三笘の動きから、判断・スキルを説明する(Photo:Getty Images)

|問われるのは判断を伴った技術だ。つまりは《スキル》

めまぐるしく変わる状況に応じて、いかに適切な判断を下すかは、優れたフットボーラーになるための必須要件だろう。

もっとも、いくら判断力に優れていても、そこに技術が追いつかなければ意味がない。問われるのは判断を伴った技術だ。つまりは《スキル》ということになる。

このスキルは必ずしも1つではない。大別すると、ボールがあるとき(オン・ザ・ボール)とないとき(オフ・ザ・ボール)の2種類に分けられる。

高速化の一途をたどる現代フットボールでは、各々が適切な判断を下すための時間は削られる一方。そこで、あらかじめ、局面ごとにやるべきことを細かく整理するなど、プレーの自動化が進んできた。各選手の判断ミスから生じる人為的エラーをできるだけ減らすための手段と言っても良い。

例えば、攻撃側がビルドアップを試みる際、守備側がマンツーマンでプレスをかけてきた場合は無理につながず、前線のターゲットにロングボールを入れる──といった具合。また、守備側がプレスをかける際のトリガー(引き金)として、ボール保持者がうしろを向いたり、横パスやバックパスをしたりしたら、一気に寄せる。これらが事前に決まっていれば、選手たちは「いつプレスに行くか」を迷わずに判断できる。

とはいえ、事前の決めごとによって、すべてのプレーを自動化できるわけではない。各々がどうすべきかを判断するケースは、依然として少なくないはずだ。

(次回『サッカーにおける状況判断の重要性 バレージ、ストイコビッチらの判断と技術が光ったシーンを語る』へと続く)

『図解つき!サッカーの優れた状況判断PART4:特別コラム 状況判断に優れたフットボーラーたち』を掲載した「サッカークリニック2024年12月号」は
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