12・22後楽園で新日本プロレス石井智宏との初シングルに挑む飯野雄貴。24年はバーニングに加入し、KO-DタッグやDDTユニバーサル王座戴冠と飛躍を遂げた。「アイアム・バーニング YEAH!」の掛け声で会場人気も高い熱血男に話を聞いた。
――墨田区で石井選手との対戦が発表されましたが、そのときの心境は?
飯野 そうですね、やっぱりメジャー団体、新日本プロレスさんの人と試合するのも初めてですし、8年のキャリアの中で初めてなんで、ほんとにすごく非常に楽しみ。やっぱ今年で言うとNOAHさんの潮崎(豪)さん、GLEATさんで田村ハヤトさんであったり。シングルで色々やってきた中で、今年最後に新日本プロレスさんの石井智宏さんが来るっていうのが本当に僕の中で楽しみで。新日本プロレスさんの中でもやっぱり一番ヘビー級の中で強い選手だと思っているので。先日、AEWでもクリス・ジェリコさんとの試合もあって。ああいう試合もやってる中での僕との試合っていうのは、ホントに楽しみでしかないですね。
――石井さんとの一戦は会場でもSNSでも反響が大きかったと思うのですが。
飯野 注目してくれたのもとてもありがたいですし。自分がやっと注目されるようになったなっていう嬉しさもあります。やっぱり無名の選手と石井智宏さんがやるって言ったときに多分そこまで話題性はなかったと思いますけど。そこまで自分に注目してくれる人たちが増えたっていうのは、ほんとデカいと思います。石井選手のおかげかもしれないですけど、やっぱ自分とシングル、どうなるのかなって。お客さんのからの視線がすごい。僕らに目を向けてくれてるのがすごく嬉しいです。
――レスラーのタイプで考えると石井選手も飯野選手も真っ向勝負と言いますが、ゴツゴツした試合をされるタイプだと思うのですが意識されますか?
飯野 そこは負けたくないです。はい。キャリアはもちろん向こうになりますけど。やっぱり僕には若さもありますから、そこは負けたくない部分あります。フィジカル面でも全部負けたくないですね。
――新日本にもいろいろな選手がいますが、やはりその中でも石井選手は闘いたい相手だったのでしょうか?
飯野 そういう気持ちはありましたね。ヘビー級の中でもベテラン選手ですし。やっぱり真っ向勝負っていうのが一番。僕のスタイルもそうですし。正面からぶつかってくれるっていうのはすごく楽しみですし、そこが一番やりたかったです。とにかく楽しみでしかないですね。
――石井選手はヘビー級の中でもそこまで体格が大きくない方なのですが外国人選手との真っ向勝負を繰り広げています。そこに感じるものもあるんでしょうか?
飯野 会場やテレビで見た時もホントにデカさを感じさせるというか、リング上で表現できてるのがすごいなと思います。そこは、僕の中で勉強になりますよね。その面を見ていても、真っ向勝負の面でも勉強になるかなと思います。今回試合してみて、その大きく見せ方を。自分が178㎝でも190㎝の選手とやっても(自分が)190に見えるぐらいのフィジカル面もそうですし。やっぱり体格。並んだ時に小さいなって。飯野はこの人より小さいなって思われないぐらいにデカく見せたいので。そこも吸収できればなと思います。
――真っ向勝負へのこだわりを感じます。
飯野 真っ向勝負の部分に関しては、今年やってきた中で一番そこが感じられる部分かなと。田村ハヤト選手ともそうですし、潮崎さんもチョップやラリアットとそういう技でぶつかって。納谷幸男ともユニバーサルやりましたけど、やっぱそこもすごい真っ向勝負の場所だったので。そういう1年を締めくくれるのかなと。
――両国国技館でのビッグマッチもありますが、あえてそこではなく後楽園でおこなわれるのもポイントかなと思います。
飯野 それはあると思います。なぜビッグマッチ(両国大会)に置かなかったのかってのもあると思いますけど、そこに関しては、(後楽園大会は)この試合で見せてくれってことだと思います。だから、それ以外の試合もあると思いますけど、今度の後楽園は石井vs飯野が「キー」なんだと思います。そこをお客さんに見てほしくてピックアップしてるわけだと思うので。他の全部の試合に負けないぐらい、ホントに真っ向勝負して年間通してもベストバウトと言えるぐらいの試合ができたらなと思います。 やっぱり、意味があると思うんですよ。だから、KO-D無差別(の王座戦)を後楽園に入れないっていうのも、この試合をちゃんと見せてくれよって会社からの期待だと思います。
――他団体との闘いですが、新日本プロレスについてはどう感じていますか?
飯野 やっぱずっとDDTにいるので。新日本プロレスっていう名前で押されるかもしれんないですけど。確かに「新日本、うわっ」とはなりますけど。でも、 名前ですから。そのブランドに押されて僕が何もできないんじゃ、意味ないので。そこは何も思わないようにしてます。
――新日本がこの業界1位の中で、やはり覆したい思いはあるんでしょうか?
飯野 それはありますね。ずっと新日本プロレスさんが一番っていうのもイヤですし。負けたくないですよね、団体として。だから対抗戦じゃないですけど、やっぱりDDTと新日本の中で、DDTの方が上だよっていうのを今回見せたいのはあります。
――今年はバーニングに加入し、DDT ユニバーサル王座やKO-Dタッグ戴冠と活躍された1年でしたが、振り返って?
飯野 去年フェロモンズが解散して、セクシーがなくなって飯野雄貴に戻り、正直そこに不安はありましたし、一番は小橋さんが作ったユニットのバーニングに僕が入るってどういう感じでやればいいのかとかホントにわからなかったです。だから探り探りですし。どういう色にした方がいいのかとか。 秋山さんもいらっしゃったわけで。ちょっとDDTとはまたちょっと違う色だったじゃないですか。真面目であって、筋が通っているというか、まっすぐですよね。でも、まっすぐの中にも違うまっすぐが僕の中であるかなと思ってたので。DDTの中でもひとつだけ、体育会系っぽかった感じがします。僕、元々体育会系だったので、そこは感じたので。なんかそこは若干変えたいなっていうのはありました。そこを柔らかく、角を取りたかったのはありますね。そういう意味でバーニングエルボーもそうですし。バーニングっていう意味で、マイルドにできるじゃないですか。
お客さんも「バーニング」って言ってくれるじゃないですか。そういうイメージを作りたかったんです。自分の中で。遠藤さんもあんまりはっちゃけるタイプじゃないですし。高鹿君も元々浜口道場ですし。そこを取りたかったっていうのはありますね。まあ、取りたかったというか、勝手に取れたっていうのがあると思います。
――バーニングに飯野さん流のアレンジを加えたかったんですね。
飯野 自分の中で変えたい部分はあったし。体育会系だったからこそ、体育会系になりたくない自分もいます(笑)。バーニングはちょっとマイルドになって、「バーニング」ってお客さんも言いやすくなったのかなと思います。
――今までのバーニングから幅が広がったということですね。
飯野 そうですね。ただ、これはまだ小橋さんに見せてないので、わからないです。ハハハ。
――バーニングエルボーも浸透していて、会場でも「YEAH!」という掛け声を聞きます。
飯野 そこはやっぱ嬉しいっす。やってきて良かったなって。メンタル面で変わらなくてよかったと思います。そこに対してお客さんもあたたかくて、DDTらしさかなと思いますし。でも『LIMIT BREAK』でNOAHさんに出た時も「YEAH!」って言ってくれてる人もいるので、浸透はしてきてると思いますし。わかりやすいように『YEAH!』って言わせたいってのもありますしね。
――今年は初のシングルタイトルであるユニバーサル王座を巻きました。
飯野 あそこで「いつでもどこでも挑戦権」を取ってすぐ使えたっていうのは一番デカい部分で。納谷と防衛戦できたのもホントにデカいですしやっぱり経験になったかなと思います。小嶋くん(To-y)とも福岡で闘えましたし。いつどこでベルトを取りましたけど、その後に納谷と小嶋とやって、飯野はシングルで闘えるぞっていうのを見せられたと思います。
――バーニングに入りベルトも取って、飯野選手がレスラーとして新たなステージに行った感じがします。
飯野 それは思いますね。一気にスイッチ変わったかなと思います。お客さんの目が「強い飯野雄貴」だっていう風に。今、みんなの目がそっちに行ってくれてるので、ホントに嬉しいですね。
――強い飯野雄貴の1年の締めくくりが石井選手との試合になりそうです。
飯野 それがシングルの中では一番かなと思いますし、両国も桜庭大翔のデビュー戦がありますし。だからやっぱり今年は28日まで楽しみですよね。
――最後にファンの方へメッセージをいただけますでしょうか。
飯野 今年一年いろいろ充実してやれましたので、最後まで気を抜けない闘いが続きますが、皆様ぜひ楽しんで見に来てください。