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2019-05-23

川内選手が語るニューカレドニア・モービル国際マラソン その2 「2周目は、1周目で得た情報を生かし、課題を克服しながら走る」

5月18日に水口侑子さんと入籍した川内優輝選手。2人が出会ったのが2008年のニューカレドニア・モービル国際マラソンです。今年、11年ぶりに2人揃って「天国に一番近い島」を訪れます。披露宴を前にインタビューに応じてくれた川内選手が、ニューカレドニア・モービル国際マラソンの魅力を4回に渡って語ってくれます。第2回はコース攻略法です。
構成/ランニングマガジン・クリール編集部 写真/AQUA、ニューカレドニア・モービル国際マラソン事務局

ニューカレドニア・モービル国際マラソンのコースには、2カ所の起伏がある。上りよりも下りのほうが、脚へのダメージは大きくなる。 写真:ニューカレドニア・モービル国際マラソン事務局

上り坂は頑張らず、下り坂は踏ん張らない

ニューカレドニア・モービル国際マラソンのフルマラソンのコースは、ハーフのコースを2周するというものです。シーサイドを走るコースは基本的にフラットなのですが、途中に2カ所アップダウンがあります。コースは折り返しなので、ハーフマラソンでは上って下ってを4回繰り返します。フルマラソンは8回になります。

 コース攻略という点では、この起伏をどう走るかがポイントになります。

ほとんどが海岸線を走るので、基本的にコースはフラット。 写真:ニューカレドニア・モービル国際マラソン事務局

 タイムを狙わず、完走を目指すのであれば、上り坂は歩いてもいいいでしょう。頑張って走って、体力や脚力を消耗するくらいなら、歩いて温存したほうがいいのです。

上り坂では頑張らない。特に体力のある1周目は頑張れてしまうので、注意が必要だ。 写真:ニューカレドニア・モービル国際マラソン事務局

 息が苦しくなったら、運動強度が高くなっている証拠ですから、平坦なところを走っている時と同じ呼吸になるようにスピードを落としましょう。坂道は急激ですが、何キロも続くような坂ではないので、スピードを落としたり、歩いたりしても大きなタイムロスにはなりません。

 マラソンでは、坂道は上り坂より下り坂のほうが厄介です。スピードが出てしまうので、スピードを抑えるためにブレーキをかけてしまうと、筋力を消耗してしまうからです。下り坂の走り方のポイントは、ブレーキをかけないことです。

 具体的にいえば、駈け下るのではなく、自然に落ちていく感覚で走るのです。足を着いた瞬間に離すイメージです。踏ん張ってしまうと、太ももの前側の筋肉に負担がかかって、終盤に苦しむことになります。

下り坂は脱力して下る。後半に筋肉疲労を起こさないようにブレーキをかけない。 写真:ニューカレドニア・モービル国際マラソン事務局

 腕はダランとして、上半身の力を抜くと、体全体が脱力します。多少、スピードが上がっても怖がらないことも大切です。脚が強い衝撃を受けないようしましょう。

 フルのコースは、同じところを2回走ります。飽きてしまうのではないかと心配な人は、いつも私がやっていることを実践してみてください。

 1周目はポイントをつかんで、2周目は得た情報を生かしてよりいい走りをする回とするのです。そうすることによって、ずっとポジティブな気持ちで走れます。

 あの上り坂では息を切らしてしまったので、2周目はペースと落とそうとか、歩いてしまおうとか。あの下り道で力んでしまったので、2周目はしっかりと脱力して下ろうとか。1周目の情報を2周目に生かすというのが、このようなコースの攻略法です。

「またここを走るのか」とネガティブな気持ちになると、走りにも影響しペースが落ちます。最後までポジティブな気持ちでいられるように、プラス思考で走りましょう。

 折り返しのコースですから、私をはじめ、多くのランナーとすれ違います。声を掛け合ってパワーを交換すると、エネルギーが湧いてきますよ。

折り返しコースなので、他のランナーとすれ違う。 パワーの交換をしよう。 写真:ニューカレドニア・モービル国際マラソン事務局

川内選手が語るニューカレドニア・モービル国際マラソン その1はこちら ↓

川内選手が語るニューカレドニア・モービル国際マラソン その3はこちら ↓

川内選手が語るニューカレドニア・モービル国際マラソン その4はこちら ↓

ニューカレドニア・モービル国際マラソンの公式HPはこちら ↓

https://www.marathon-nouvellecaledonie.com/ja/

ニューカレドニア観光局の公式HPはこちら ↓

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