9月16日(日曜日)、オーストラリア・シドニーで開催された「シドニーマラソン」は、国内外から3万7000人ものランナーが参加。日本からも約600人が太平洋を縦断し、雲一つない青空の下、美しい風景も堪能しながら港町・シドニーを駆け抜けた。
その模様は、10月22日(月曜日)発売の『ランニング・マガジン クリール』12月号に掲載しているが、もちろん、走るだけで南半球への旅を終えてしまうのはもったいない。今回もレース翌日に「ウルル(エアーズロック)に行きます!」という参加者が何人かいたが、「さらに500キロも離れた場所に行くのは厳しい」という人でも、シドニー近郊には素晴らしい観光地が数多くある。世界的に有名な「ボンダイビーチ」も、その一つ。というわけで、私もハーフを走った翌日、南太平洋の大海原を眺めに出かけてみた。
今回、歩いたのはシドニー南東のクージー・ビーチから北へ、ボンダイビーチまでの約6キロのコース。シドニー近郊の海岸線には遊歩道がきちんと整備されており、ウォーキングやランニングを楽しんでいる人がたくさんいる。適度なアップダウンもあるので、マラソンを走ったあと、リカバリーのためのウォーキングやスロージョグなどにも程よい道のりだ。
ゴードンズ・ベイ、クロバリービーチ、ブロントビーチ、タマラマビーチ…。波打つように岬と入り江が繰り返されるコースを歩いていると、小舟が並んでいたり、海に突き出た岩場があったり、サーファーが波乗りにいそしんでいたりと、それぞれに趣のある海岸線が次々に現れ、目を楽しませてくれる。また、合間にある公園には、公共のバーベキュー台や、自走式トレッドミルなどのトレーニング器具まで置かれていたりする。現地在住の人に聞けば、昼休みをしっかり2時間も取る会社が多く、その間にランニングをしたりウエートをしたりして、ひと汗かくオージーも多いようだ。うらやましい…。
午前10時ごろから歩き始め、景色に目を奪われているうちに、あっという間、ボンダイビーチへはちょうどお昼時に着く。近辺にお店はたくさんあるけれど、ビーチの南側にある「アイスバーグ・テラス・カフェ」は、おすすめの一つ。エメラルドグリーンの海を眺めながらの食事は、まさに至福のひととき…。
さて、このルートはもちろん、ボンダイからクージーへ逆を行くのでもいいのだが、ボンダイを終着点にする理由は、ボンダイ・ジャンクション駅近くにあるショッピングモールで買い物をし、電車に乗ってそのままシドニー市内に戻れるというメリットがあるからだ。今回はモール内にある、国内2大スーパーの一つ、「COLES(コールズ)」でお土産を購入。物価が高いシドニーだけに、土産物は頭の悩ませどころ(?)だが、会社で配る小分けのお菓子などを買うには土産物店よりもスーパーがお財布にやさしく、しかも近郊の大型店であれば、品ぞろえも豊富で助かるのである。
初春にあたる9月のシドニーは、気候的にも晴天が多くて理想的。今年は暑かったり寒かったりと、レース前後の気温変動は激しかったが、空は文句なしのブルー一色に染まった。マラソンも観光も満喫できるこの街を、来年、海外マラソン候補地の一つに選んでみてはいかが?
文=高橋幸司
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