“プロレス界の太陽神”Sareeeが亡き“過激な仕掛け人”新間寿さんに悲願のIWGP取りを誓った。
スターダム4・27横浜アリーナ大会に乗り込んだSareeeは同大会で第4代IWGP女子王者になった朱里に挑戦表明。3・10新宿でおこなわれたSareeeとのシングルが30分ドローに終わっている朱里もこれに呼応し、ベルトを懸けた激突が決定的になった。
スターダムからの公式発表はいまだない状態が続いているが、IWGP女子奪取への思いを燃え上がらせるSareee。そんななか、WWE入団前年の2020年から交流の続いていた新間寿さんが4月21日に亡くなられた。IWGP構想の“仕掛け人”であり、IWGP女子取りを熱望するSareeeに「絶対に取りなさい」と後押ししてくれた。結果、新間さんにIWGPを巻く姿を見せることができなかった。だからこそSareeeは「(天国の新間さんに)IWGP取りましたってご報告しなきゃなと思いました」と決意を新たにした。

また、スターダムに闘いを求めたSareeeと「スレ違い」でマリーゴールドに移ったライバル、岩谷麻優へのリベンジに関しても「勝ち逃げは許さない」と闘志メラメラ。返す刀でかつての主戦場=マリーゴールドでやり合ってきたワールド王者・林下詩美ら旗揚げメンバーに対してSareeeは「『岩谷麻優だからって簡単にド真ん中は譲らねぇよ』ぐらいの気持ち」を持ち、女子プロレス黄金の花園を盛り上げるようアツいゲキを送った。
マーベラス5・5後楽園でおこなわれるタッグトーナメント(パートナーは彩羽匠)出場も決めたSareeeとの一問一答は以下の通り。

 ――交流のあったストロングスタイルプロレス会長の新間寿さんが4月21日に亡くなられました。
Sareee「新間さんと関わらせていただくようになって、4、5年しか経たっていないんですけど、いつもすごく気にかけていただいて、会うたびに過去のプロレスの話や舞台裏のお話し、猪木さんや佐山さん(初代タイガーマスク)との思い出とかホントにいろんなことを聞かせてくださって。『Sareee、がんばってるな』『またごはんでも行こう』って言っていただいて、新間さんのお写真とか昔の硬貨をくださることもありました」
――写真や硬貨まで…!
Sareee「そうなんです。プロレスを作り上げてくださった偉大な方がいつも気さくに接してくれて。本当にうれしいし、光栄なことだなって」
――訃報を聞いたときは?
Sareee「本当に驚きました。最後にお会いしたのが1月にプロレス大将授賞パーティ。お孫さんのしおりさちゃん(=初代タイガーマスク・マスコットガール)と一緒に来られてて、『Sareee、ホントによかったね。おめでとう』ってすごい喜んでくださって。新間さんが亡くなられたのはショックでした。でも、新間さんの目の前で女子プロレス大賞を受賞することができたっていうのはよかったな、ちょっとは恩返しできたかなって思いました」
――現在、Sareeeさんが照準を定めているIWGP女子も、元をたどれば猪木さんと新間さんが「真の世界一を決める」との思いから始まったIWGP構想にさかのぼります。
Sareee「自分がアメリカから帰ってきたのが2年前、その年の夏にIWGP女子の設立が発表されて以来、ずっとあのベルトを巻きたいと言い続けて、新間さんにも『IWGP取りたいんです』とお話したことがありました。そしたら『絶対に巻くべきだ』『絶対に取りなさい』と言ってくださって。IWGPを巻く姿を見せられなかったのはすごく悔しいですけど、(天国から)見守ってくださる新間さんに『IWGP取りました』ってご報告しなきゃなと思いました」

――そのIWGP女子はスターダム4・27横浜アリーナ大会で朱里選手が初戴冠。昨年4月にSareee選手が負けてしまった岩谷麻優選手は王座陥落後にスターダム退団を発表。5月1日付けでマリーゴールド入団を発表しました。
Sareee「そうですね…2024年、女子プロレス大賞を受賞したりいろんなことがありましたけど、一番印象に残っているのは岩谷麻優に負けた試合なんです」
――勝利した試合よりも?
Sareee「はい。いろんな闘いがありましたけど、一番は岩谷麻優に勝ってIWGPを取りたかった。だからこそ、とにかく悔しい試合としてあの試合が自分のなかに残ってるんです」
――4・27横浜アリーナ出撃を決めた時も、朱里選手に勝った岩谷選手にリベンジしたいと言っていました。
Sareee「私は岩谷麻優が勝つって信じてたけど、横浜アリーナで岩谷が朱里に負けて。正直、私もすごい悔しかったです。いまは朱里を倒してIWGPを巻くという気持ちが一番ですけど、岩谷にリベンジしたいっていう気持ちはいまでも強くあります。それなのに、スターダムを辞めてマリーゴールドに移籍してしまって。スレ違いっていうか」
――Sareeeさんは今年1月までマリーゴールドを主戦場にしていて、この春スターダム出撃を決断。岩谷さんはSareeeさんと入れ替わるようにスターダムを辞め、マリーゴールドに移りました。
Sareee「こういうこともあるんだなって。でも、こういうことがあるのがプロレスだし、また線が交わるのもプロレスだと思うので。いつか必ず岩谷にリベンジします。勝ち逃げは許さないので」

――蛇足ですが、かつての主戦場マリーゴールドは岩谷さん入団で大きな盛り上がりを見せ、5・4後楽園のチケットも会見翌日には数百枚単位で大きく伸びたそうです。
Sareee「岩谷麻優がスターダムを辞めてマリーゴールドに行ったんだから、それは話題になるし、盛り上がると思います。でも、プロレスはひとりじゃできないので。岩谷麻優が来たことで、旗揚げからの1年間、マリーゴールドを引っ張ってきた林下詩美やMIRAI、桜井や青野がどう思うか、どれだけ頑張るかにかかってるんじゃないですか?」
――なるほど。
Sareee「岩谷麻優の入団はマリーゴールドにとっていいことだと思いますけど、岩谷麻優が来てくれてよかったって安心するんじゃなくて、自分からベルトを奪った詩美とかが『マリーゴールドは自分たちが作ってきたんだ。岩谷麻優だからって簡単にド真ん中は譲らねぇよ』ぐらいの気持ちを持てば、マリーゴールドおもしろくなっていくじゃないですかね。甘えちゃダメですよね、岩谷麻優に」
――Sareeeさんは昨年5月の旗揚げ戦からマリーゴールドに参戦。ひと区切りつけたとはいえ、やはり思い入れはありますか?
Sareee「それはありますよね。出てないけど、やっぱり気になるし盛り上がってほしい。私はIWGPを狙ってスターダム参戦を決めたけど、こっちも負けられないなって思いますよ。それがお互いのいい刺激になって、業界が盛り上がっていけばいいと思うし」
――業界活性化のためにもIWGP戦を実現させ、朱里選手に勝たなければならないと。Sareeeさんの親友なつぽい選手と安納サオリ選手の10周年興行への参戦は発表されましたが、肝心のIWGP戦線は5月3日現在、音沙汰がありません。
Sareee「スターダムから何も発表もないですけど、横浜アリーナに行って、私は挑戦したいと伝えた。朱里もOKしたわけじゃないですか。中野たむが引退したり、岩谷が退団したり、いろいろバタバしてるのかもしれないけど、気持ち的には一日でも早く闘いたいので」
――先日、マーベラスのタッグトーナメント出場も発表されましたが、大一番3連敗から始まった2025年もSareeeイヤーになりそうですね!
Sareee「まかせてください! S私がプロレス界を盛り上げます。まずはIWGP女子。『絶対取りなさい』と言われた新間さんとの約束、必ず守ります」