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2020-05-01

全国大会出場チームの「正しい判断を伴ったドリブルの習得方法」

個を活かしつつ状況判断の力を最大限に伸ばす

――ドリブル練習の中でもさまざまな選択肢を持たせるメニューが見られました。

馬目 ドリブルだけだと選択肢が1つしかなく、相手に奪われやすくなります。パスもドリブルもあるようにすれば、相手ディフェンダーを1人はがすことで数的優位をつくれます。

――状況判断が重要になりますが、状況判断の良いドリブルとはどのようなものでしょうか?

馬目 重要なのは視野を常に確保し、選択肢を増やすことです。ボールを受ける前にいろいろなところを見ておいてほしいですね。周りを見るだけで選択肢が増え、ドリブルで行けるのか、パスで打開するのかを考えることができます。子供はどうしてもボールだけしか見なくなるのですが、ボールも相手もと、いろいろな状況を見させます。練習中から常に声を掛け合うように促しながら、周りを見させています。

 そして、最後は練習でやったことをゲームで確かめ、内容を追求するようにしたいと考えます。ここはおかしいなと思ったら、ゲームでも途中で止めます。状況を細かく見て、ここにボールが入ったらどうなるのかを考えながらプレーするようにさせています。「ここはこうしろ」と言ってしまうと選択肢が減るので、子供が言ったことに対しては「それも良いけれど、こういう状況もあるよね」と指摘します。そうすることによって、こういう考えもあるのか、と子供たちは感じ、選択肢が増えていきます。

――パスをせずにドリブルで2人、3人と抜こうとする選手にはどのような声掛けをしますか?

馬目 状況やポジショニングによります。チャレンジは大事なのですが、後ろの選手がそれをやって奪われるとシュートを決められてしまうので、「そこはボールを持つところ?」といった声掛けをすることはあります。でも、相手ゴール前に入ったらどんどん仕掛けることが大切です。状況判断を良くすることや選択肢を増やすことが大事。ドリブルがうまい子はそれが特長なので、そこを伸ばしながら、違う選択肢も持たせたいと思います。そういう選手に対しては全国大会でチャレンジさせてみるのも面白いと思います。

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