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2020-05-01

全国大会出場チームの「正しい判断を伴ったドリブルの習得方法」

初めて参戦した全国大会で感じた個の力強さ

――現役選手でボールの止め方がうまい選手は誰だと思いますか?

馬目 ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタ選手ですね。体格が日本人に似ていますし、スピードがあるわけでもありません。ですが、スピードの変化のつけ方がうまく、顔が常に上がっているので、パスを出せて、ドリブルでひょいひょいと相手をかわすこともできます。何よりもボールを受けるときのファーストコントロールが抜群にうまいです。今、日本にいてJリーグで見られるので、そうした部分を子供たちに見てほしいですね。海外の有名選手が日本に来ている状況はとても良いことです。今は昔と違って携帯電話でいろいろな動画を見られるので、どんどん参考にしてほしいです。

 余談ですが、全日本U–12サッカー選手権大会(以下、全日)を見て感じたのは、むやみに蹴るチームがなく、丁寧につないでいるということです。ハイプレスをかけられたらサイドチェンジしたり、フォワードに当てたりといったプレーの使い分けができていて、これが小学生かと驚きます。中でも横浜F・マリノスプライマリーのプレーが素晴らしく、私たちも見ていてワクワクしました。

――バンディッツいわきジュニアの練習を見たところ、プレー強度の面がよく考えられている印象を受けました。

馬目 今、力を入れているところです。「デュエル」、「球際の勝負」とよく言われますが、全日から帰ってきたあと、「1対1」や「2対2」のメニューを多く取り入れて強化しています。全日でそこが足りないと感じたからです。私たちのチームはパスが得意なのですが、強いチームとの対戦ではそれだけでは崩せません。練習から「1対1」での強さをもっと求めていかなければいけないと思いました。

――全日ではサイドから鋭いドリブル突破をする選手もチームに見られました。

馬目 ただ、強さがそんなにありませんでした。全国大会で一番感じたのは個の力強さです。フォワードだったらシュートまで必ず行きますし、ディフェンダーだったら絶対に跳ね返します。サイドの選手だったら相手をはがしてクロスボールまで行きます。そうした個の能力の強さを感じたので、練習から力強さを求めていきます。今は新チームになったばかりで結果が出ていませんが、次の全日から逆算してチームづくりを進め、全国大会の景色をまた見たいと思っています。


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